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桎梏のカルマ  作者: 軟骨
8/15

ハロルド・フィンリーという少女(その6)

 



 「あらあら、ルイったら」


 突然のことにビックリして固まってしまっていたが

おそらく父親であろう人物の背中より、おっとりとした声がかかる



 横抱きにされたまま

肩越しにそちらを除くと


 これまた童話のお姫様かのような、白く透き通った肌にアッシュブロンドの髪は緩くウェーブかかっており、自分も同じようなウェーブであること、アーモンド状の瞳は目尻がやや吊り上がっているのも似ていることから母親と認識する



 そして、どちらも赤色をメインとした正装に薔薇色の刺繍がワンポイントで入っている



 「フィン、体調は大丈夫かい?

レナードからの急な会議に呼び出されてしまって、家を離れてすまない

高熱を出して辛かっただろうに、こんなに元気になったのは皇族付きの医者に診察して貰ったからだろうか、なぁナタリー」


 書庫からそのまま連れ出されると、ナタリーという母親と視線が合う



 「それより、早くフィンを離して上げてちょうだい

 まだ病み上がりなんだから、何時もなら二発位貴方にパンチを入れて逃げる筈なのに大人しいからよほど具合が悪かったのね」


 困ったように眉を下げられ、またもやこのフィンリーが脳筋お嬢様と言われるようなエピソードを聞いてしまい申し訳なくなってしまう


 抱えられていた腕からそっと離され床に足を付く


 「ろくに食事を取っていないと聞いてね、フィンの好きなケーキを買ってきたよ、セントラルで人気らしい」


 優しく微笑む父


 「まぁ、さっき馬車の時間をずらしたのはそういうことだったの、病み上がりなのに胃もたれしないかしら」


 私の身体を気遣ってくれる母


 なんだか懐かしさを覚えるやり取りに、頬を温かいものが伝う


 ごめんなさい

お父様、お母様の知ってるハロルド・フィンリーはきっとここにはもういない



 私が発する言葉、行動に違和感を覚える時があるかもしれない


 それでも、私をフィンリーとして扱ってくれるなら

私は彼女の残りの人生を無駄にせず生きよう


 「まだまだ、小さい女の子ね

 明日、誕生日が来たら13歳になるのに」



 母が頭を撫でながら優しくいう

その言葉の意味を深く考えられたのなら何か変わっていたのだろうか





ハロルド·ルイス(40)

現皇帝の右腕

剣の腕、馬の扱いは右に出るものはない

愛娘を溺愛しているが、仕事が忙しく中々会えないことを不満に思っている



ハロルド·ナタリー(31)

ルイスとは恋愛結婚

ナタリーが一目惚れし、アタックをしたとか

頭の回転が速く、スオン領の軍議に参加する程


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