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桎梏のカルマ  作者: 軟骨
14/15

ハロルド・フィンリーという少女(その12)

 


 ヴァリアス王国、北側領地スオン


 代々この土地を護って来た

スオン公爵

名字はハロルド


 歴代国王より授かりし魔鳥を使役している家系

赤色を身に付けることを許された



 現領主、ハロルド・ルイスとハロルド・ナタリー(旧姓キーツ・ナタリー)との間にハロルド・フィンリーが生まれた

因みに、苗字で分かる通り

トレバーのお父様と私のお母様は兄妹らしい


 南領地スワンプ

水の都であり、此方は馬車で移動するが、スワンプは船が主らしい

スワンプ公爵

現領主のオースティン様も歴代国王より授かりし

魔蛇を使役している家系

数々の功績により青色を使うことを許された


 セントラル

ヴァリアス王国の要

王族に認められたものしか販売出来ない

貴族御用達のお店が列なり、外交もまたここセントラルで行われている



 10年に一度国王から選ばれた侯爵以上の家系の令嬢を他国へ嫁がせるため

10歳から13歳までの間に王に謁見するように定められているらしく私はまだ会っていない

おそらく今年中に会うことになるだろう



 フィンリーは一人っ子であり、父親、母親も家にいることが少なかった為、ケイリーの母、クレアに乳母代わりになってもらっていた

そのせいか叱れることもないため我が儘に育ち、周りにも自分の身分と釣り合う子がおらず、侍女達を見下すような性格になってしまったとか


 また、幼いのもあるせいか未だに魔力を制御出来ないため制御印が身体のどこかにあるらしい


 「まぁ、言葉に表すなら高飛車で我が儘、無神経なお嬢様だったって事か

環境が環境だから仕方ないけどな

それに、魔力が乏しい侍女達に取って強力な魔力を持つ貴族が魔力を制御出来ないなんて命を脅かされるのと一緒だからな」


 頭の中に悪役令嬢という言葉が過った

フィンリーはもしかしたら生まれながら悪役ヴィランの素質があったのかもしれない


 で、あればあの侍女達の態度は納得してしまう


 「私に高飛車で我が儘、無神経なお嬢様を演じれる気がしないわ」


 今はぼろが出ていないようだが、身近な者はちょっとずつフィンリーの異変に気付いてしまう気がする


 「まぁ、難しいだろうな

付け焼き刃の情報じゃ、お前の侍女は気付くかもな」


 「ケイリーのことね

転生して最初に彼女に出会って

私の様子を不審がったわ

高熱が出て具合が悪かったから、記憶が曖昧であると上手く誤魔化したけれど」


 あの時は咄嗟に付いた嘘で誤魔化せたが今後も同じてが通用するとは限らない

フィンリーであることを疑うことはないと思われるが精神異常と判断され、病院送りにされても困ってしまう


 先の事を考えただけど頭が痛くなるが

どうしようもない


 「あとは、早めに国王に謁見を済ませて

セントラルにある学院に入学する許可をもらって家を出て寮に入るかだが、まだお前は自分の魔力をコントロール出来ないから難しそうだな、制御印だって国王に解いてもらわないといけないしな」


 「学院なんてあるのね」


 「あぁ、貴族のみが通えるが

さっきも言った通り平民は持ってる魔力が元々少なく、使えても僅かばかりの身体強化位だ、四大精霊の加護を受けきるだけの器が無い

貴族は代々受け継いできた血筋のお陰で加護を受けきる器がある、貴族の中で更に魔力の量に差はあるけどな

俺の家とお前の家は間違いなく王族に次ぐ魔力が多い家系だ


だから、責任もって民を守らなくちゃならない

俺は早ければ来月から学院に通う、寮生にもなるつもりだ」


 「そう…ってことは助言を貰えるのは今月までってことよね」


 トレバーという強い味方を得たと思ったが、自分一人で乗り切るしかなさそうだ


 前途多難だけど、彼と話したお陰で自分の進むべき道が見えた気がした





 

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