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桎梏のカルマ  作者: 軟骨
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プロローグ

ゆっくり更新です。


題名は桎梏(しっこく)のカルマと読みます


《「桎」は足かせ、「梏」は手かせの意》人の行動を厳しく制限して自由を束縛するもの。


goo辞書参照



 




 あるところに3つの国がありました。


 北は万年雪が降り、鉱石の採掘を手広く行う鉱山の国ヘイル


 南は万年温暖で、マナを宿した木が育つ魔法の国ベイク


 そして中央には唯一四季があり、様々な食物や貿易が盛んな国ヴァリアス



 3つの国は遥か昔より争い事が耐えませんでしたが、今より200年前に休戦協定を結びました。

より協定を強いものとするために、10年に一度自国の王が決めた候爵以上の身分の令嬢を他国へ嫁がせることが決まりました。



 国王命令は絶対であり、たとえ婚約者や好いたものがいたとしても引き離されてしまうため、恋人を奪われたものが世界に絶望し、3国を跨ぐように流れるマナの川に身を落とし、来世での縁を強く願ったものがいたとかいないとか





ーーーヴァリアス王国 春



 「リアン殿下、リアン殿下、お待ち下さい」



 色とりどりの花たちが優しい風に吹かれ、花びらを舞い踊らせる季節


 大理石で出来た大きな噴水が流れる横を小さな影が通りすぎる


 その後ろから、純白の生地に金色の糸で施された家紋入りの燕尾服を着こなした老人が目の前にいる小さな主を引き留める


 リアンと呼ばれた少年は自分の歩幅では大人にすぐに追い付かれてしまうことを察すると、一度立ち止まり太陽の光を浴びて黄金色に輝く前髪を煩そうにかきあげ、深いため息を付き振り返った


 「ギャビン、僕は友人など必要ない」


 本日何度目になるか分からないやり取りに素っ気なく返す


 「ですが、陛下はリアン殿下に同い年の心許せるものが必要だと言っていたではないですが

陛下もハロルド公爵のような唯一無二の存在を見つけ、共にこの国を治めてきたのですぞ

若き二人はそれはそれは若獅子のように戯れ、どちらも彫刻のように美しく、見ているこちらがうんたらかんたら


 始まった、ギャビンの父上物語


 爺は話が長くて困る

最初は滅多に知ることのない父上の過去に好奇心で話を聞いていたが流石に1時間も語られるとは思っていなかったため、あれ以来隙を見て逃げ出すようにしていた


 ギャビンが父上の話に酔っている時の隙は甘く容易く逃げられる


 少しずつ後ろ歩きで距離を離し、追いかけれても逃げきれる距離まで来たら前を向き一気に走り出す!


 「あ!お待ち下さい、リアン殿下!」


 ギャビンの焦った顔をしてやったりと横目で確認し前を向くと、目の前の植木から自分と同じ程の背丈の影が飛び出す


 突然のことに立ち止まれず、そのままぶつかることを諦め目を瞑る



 が、何時までたってもその衝撃は来ず

恐る恐る目を開くとプラチナブロンドの細い糸のような髪はサラサラと春風に靡き、透き通った白い肌はシルクのように滑らかで、左右色ちがいの大きな硝子玉のような瞳がこちらを見つめれば

その表情が歪み憎しみへと変わる


 「っ、貴方のせいで!……」


 相手の怒り声と共に視界が揺れ、左頬が痛みと熱を持つ

ああ、何故か分からないが叩かれた


 久々に歩き回ったせいか、身体には堪えたようでそのまま意識を手放す





 彼女との出会いはまるで雷に打たれたように

強烈で、私の生涯忘れることのない思い出となるだろう









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