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遠洋航海
「遠洋航海」
兵学校の最後のイベントでは、訓練と経験を積むためにどのクラスも練習艦という軍艦に乗って遠洋航海に出かけます。
68期の私たちは新造の練習巡洋艦香取という軍艦で上海まで航海したのですが、実際の太平洋の荒波というものは瀬戸内海でしか練習しなかったわれわれにとってとんでもない環境でした。
いつもは船酔いなど絶対しないと豪語していた生徒も大きな波のうねりの連続で起き上がれないくらいの激しさでした。
明治時代初期、勝海舟と日本の訪米団は咸臨丸という木造の小さな艦に乗って太平洋を航海したのですがよく当時の船で長距離の航海をこなせたものだと全員がつくづく感心したものです。