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死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
準備期間です。
7/40

7.あれから

王様との謁見後、多くの貴族から婚約の申し込みの手紙が届きました。

過去最大のモテ期到来です!(前世も含め)

ですが、もちろん全てお断りさせていただきました。

婚約者を決める予定はありませんからね。

手紙は最初のラッシュさえ乗り切ると、私の立場を考えるとこれ以上しつこくするのはマズいと思ったのでしょうね。

手紙の量は見るからに減りましたよ。

諦めたのかまではわかりませんが、とりあえず引いてくれたようです。

ちょっとだけモテ期を喜んでいたので、モテ期終了は少し悲しかったですけど……。

まあ、父様の地位や精霊契約に惹かれて申し込んできた輩なんか、相手にしませんけどね!


さて、縁談のお断りは全て父に任せて、私は庭の隅っこの花壇でこぢんまりと薬草を育てることにしました。

ヒューリーに教わりながら。

緑の精霊であるヒューリーは植物に関してはエキスパート。

どんな植物でも、どうやって育てればいいのかなんてお手の物。

種や苗なんかもヒューリーが調達してくれるので、私はお気軽に栽培を始めました。


しばらくして、私が薬草を育てていることを知った父が、庭に私専用の温室を作ってくれました。

『作ってあげよう』という宣言から、三日ほどで完成。

四~五畳ほどのこぢんまりしたやつ、とかじゃないからね!

二十五mプールがすっぽり入るくらいの広さはあるんだよ。

それを三日で作るって!

公爵家の底力を再確認しました。

でも、使える場所が広くなったので、私は本格的に薬草栽培を開始する事にしました。

使える面積が広くなったので、薬草以外にもハーブなんかも一緒に育ててみたいですね。

何を植えようかなぁ~。


だけど、小さい花壇ならまだしも、これ程までに広い場所を私一人で手入れするのは大変でした。

体力も腕力もまだ少ないですからね。

すると、普段は手の平サイズの小さい姿のヒューリーが、温室のお世話の時だけ元の大きさになって作業も手伝ってくれるようになりました。

本来、人の大きさと変わらない事がわかったヒューリーだが、家にいる時は何故が中級精霊の姿をしてるんだよねぇ。

何でだろう?

まあ、小さい姿は可愛いから構わないけどね。


そんなこんなで本格的に栽培を始めた私は、ヒューリーが用意してくれた苗や種を育てていたので気付きませんでした。

育てていた薬草の中に稀少な薬草があったり、自家栽培が出来ない薬草がゴロゴロと混ざっていたり、超高級ハーブがあるなんて……。

温室を見た父や兄達や庭師のトムさんが、すっごく驚愕していました。

しかも、気付けば消費できないほどの大量の薬草が育っていました。

正直、作り過ぎた。

これ、売れるか……?

父に相談したら城の薬師所で買い取ってくれる事になりました。

うん、良かった~。


光の精霊ミリアもお天気の悪い日には擬似太陽を作って、薬草に光をたっぷりと当てるお手伝いをしてくれます。

また、ミリアは良い香りが好きらしく、お花限定なら栽培のお手伝いをしてくれるようになりました。

薬効成分のある花って結構あるんだよね。

最近では薬草とは関係ない薔薇の栽培に嵌っているらしく、いろんな種類の薔薇を育てるようになったみたい。

そして気付けば、いつの間にか薔薇園用の温室が建っていました。

ミリアが父に頼んだのでしょうか?

私は頼んでいないし、父からも前みたいに『作ってあげるね』みたいな事は言われていないので、どういう経緯で温室が建ったのかは謎のままです。

でもミリアが喜んでいるし、まあいいか……。


ミリアは薔薇園で育てた薔薇から化粧水やオイル、石鹸、香水、ハーブティーなども作るようになりました。

何でそんなものの作り方を知っているんでしょうか……。

不思議でしたが、『精霊さんだしね』で片付けましょう。

そうして薔薇から作られた品々は、ミリアからプレゼントされて私の手に。

どうやら出来上がったら満足するらしく、それらの品自体はいらないそうです。

それなら、ありがたく使わせて頂きますね。

だけどほら、私はまだ三歳だからお肌はまだぷるぷるのもちもち。

石鹸や化粧水は多少なりとも使うのだけど、オイルはそこまで使わないし、香水なんてまだ早い。

なので、公爵家で働く女性使用人に少し分けて、使ってみてもらうことにしました。

使用感とかの感想が聞きたかったので。

化粧水やオイルはとっても凄い効果が出たようです。

使用人達の肌は張りが出てツヤツヤになりました。

香水も良い香りだと評判がいいです。


この事が使用人の情報網から他家へと伝わり、いつの間にかに貴族の奥様やお嬢様達から、問い合わせが殺到するようになりました。

美を追究する奥様、お嬢様達の行動は凄まじかったとだけ言っておく。

結局、美容品は商品化して売る事にしました。

光の精霊特製という謳い文句の。

数多くは販売できないので、数量限定商品の上に結構高額なものとなりますが。

それでも飛ぶように売れたそうです。

間に入ってくれた商人さんが興奮しながら言っていました。


薬草も美容品も売却した代金は私の個人資産として貯蓄されるようになりました。

お金の管理は父がしていますが、すでに結構な額になっているみたい。

勿論、この事はヒューリーもミリアも相談しましたが、二人ともお金には興味がないそうです。

いいんですかね?

でも、これで家が没落したり、国外追放になっても生活していく資金に困らないね!


嬉しい付随効果だった。

やったね♪





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