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死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
準備期間です。
30/40

30.良かった~

《いや~ん。リアちゃんったら、本当に良い子だわ~》


例のごとく、私とジルベールから黄色い光が放たれてその光が収まると、ミリアが突撃してくるように抱きついてきた。


《良かったじゃないか、雷の……いや、もうジルベールだな。愛称をジルにするなんて、リアは本当に気遣いのできる子だな。さすが僕が契約した子だ》

《雷のはジルっていう名前を大事にしてたもんなー》


やっぱり大事な名前だったんじゃん!

みんなも知っていたのなら、教えてくれたらいいのにぃ~~~。


「もぉ~。やっぱり大事な名前だったんだぁ~。気のせいじゃなくて良かった~」

「新しい契約に私情は挟めません」

《ジルは固いんだよ》


本当だよ。

たとえ私に主導権があるんだとしても、主張くらいしてもいいと思うんだよね!

これはきっちりと言っておかないと!


「ダメ! 今度からはそういう大事なことはちゃんと主張してね!」

「……」

「約束して!」

「……」

《ジル、リアはこういうことは絶対に折れないぞ。観念しておけ》

「……わかりました」


ジルベールは私の言い分に無言で探るように見ていたが、ヒューリーのダメ押しが入ってやっと約束してくれた。


「あ、あとね、嫌なこととかも教えてね。無理する必要はないんだからね」


精霊にだってちゃんと感情があるのだから、無理強いはしたくないしね。


「ね?」

「……はい」


無理強いしたくないと言いつつ、今現在無理強いしているっぽいけど、これは譲れないからね~。

うんうん、これでよし!


《あら、そうそう。リアちゃん、忘れないうちにポシェットを返しておくわ~。でね、少しお金を使わせてもらったわよ~》

「別にそれは構わないけど……ミリアがお買い物なんて珍しいね?」


ミリアがお買いものなんて本当に珍しい。

何か欲しい物でもあったのかな?

もともとお金はヒューリーやミリアのお蔭で稼げたお金なんだから、遠慮しないで普段から使ってくれたらいいのに……。


《ふふふ~。リアちゃん、さっきのお店のケーキを楽しみにしていたでしょ~。だからね、ケーキをいっぱい買ってきたわよ~》

「えっ!?」


何ていうことだっ!

ミリアが欲しいものを買ったんじゃなくて、私のためにケーキを買ったってこと!?

っ~~~。


「~~~! ミリア、大好きー!」


抱きついちゃえ!


《うふふ~》

《むぅ。……ずるいぞ、ミリア》

《今回は私の勝ちね~》


何故かヒューリーがミリアを睨み、そんなヒューリーにミリアが悠然と微笑んでいた。


「どうしたの?」

《何でもないわよ。さあ、お家に帰ってゆっくりお茶でもしましょうね~》

「わぁ~。楽しみ~」

《そうだな。もう用は終わったしな》

《俺も一緒に行っていいんだよな?》

「もちろんだよ。ルークもジルも一緒に帰ってケーキを食べよう」

「私は後から行きます」


うきうきと帰宅モードだったが、ジルベールだけがこの場に残ると言った。


「え? どうして?」

「私は現在、騎士団に所属していますからね。そのことについて話しておかなくてはいけませんからね」

「あ!」


そうだった!

え、えっと……どうしたらいいんだろう?


「えっと、えっと、えっと……?」


退団手続きをすればいいのかな?

でもでも今さらだけど、ジルベールが努力してせっかく近衛騎士になったのに、辞めちゃうのってもったいないよね?


「うぅ……」

「大丈夫ですよ。私が自分で手続きしますから」


私がおろおろとしていると、ジルベールがそう言って宥めてくれて、私達はジルベールだけを残してそのまま先に帰ることになった。

後から気づいたんだけど、私ってばすっかりカイル=スピネルのことを放置して帰っちゃったんだよね~。

あの場には父が残っていたから対処してくれたみたいだけど、あれ以来、カイル=スピネルは私の前には現れなかったんだよね。

あ、でもでも、人知れず処分されたというわけではないよ!

詳しくは教えてくれなかったんだけど、一から鍛錬のし直しをするとか何とか……。

近衛から外されて、さらに王都にはいないみたいだけどね。

数年は王都外で勤務することが決まっているようなので、マリエッタに出会って恋に落ち、私が弾劾されて投獄されるルートは潰されたってことだ。

じゃあ、結果オーライってことだね♪





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