表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
準備期間です。
3/40

3.おさらいしておこう

マリエッタは私の六歳年上。

夢は開始は彼女が十五歳、高等部に入学と同時に発生する出来事だ。

今からちょうど六年後の話しになる。


ここで不思議に思うのが、マリエッタは男爵令嬢のはずなのに十二歳で行くことになる初等部には通っていなかった、という事だ。

それは何故なのかというと、彼女が男爵の庶子だったからだ。

貴族世界とは無縁の庶民として生活していたが、高等部入学直前に精霊と契約を果たし、その事を知った男爵が娘として引き取ったのだ。

精霊契約をした者は利用価値があるからね。

それがなかったら放置していたんだろうなぁ……。

最低な男だ。


そしてマリエッタが高等部に入学する時、私、ヴィクトリアは九歳だ。

十二歳で入学する初等部すら通っていない年齢になる。

それならば全く関わりがないのでは?

と、思うのだが……。

宰相でもある公爵家の娘という身分だけに、どいつもこいつも婚約者候補だったする。

さらに白磁の肌にサラサラの金髪、エメラルドのような瞳を持つ私は、自分で言うのはなんだがもの凄く可愛い。

将来、絶対に美女になる!

そんなわけで身分だけでも厄介なのに、いろんな男に狙われていたりする。

ホント、やめてくれ!

私は望んでいない。


だから私は決意した。

脇役なら、脇役らしく巻き込まれない人生にしよう、と。


ならば、攻略対象者には極力関わりないようにしないといけない。

だが、ここで問題が発生する。

家族の中に攻略対象者の二人がいるのだ。

七歳年上の長男・ヴィルフリードと六歳年上の次男・ヴィルフレッドだ。

関わらなければならないのなら、夢で見た展開に持ち込まないようにしないといけない。


我が家の家族構成は父・兄・兄・兄・私。

私は四人兄妹の末っ子だ。

攻略対象である兄二人以外にもう一人、五歳年上の三男・ヴィルバードがいる。

母は私を産んだ時に体調を崩し、亡くなってしまったらしい。

父と兄達は私が原因で母が亡くなったのにも関わらず、私のことをとても可愛がってくれている。

それはもう、目に入れても痛くないと言わんばかりに。

夢の中のヴィクトリアの性格や生い立ちなどは詳しくは登場しなかったが、父と兄三人に甘やかされているので、我が儘なお子様に育ったのではないだろうかと予想される。

そして手に負えなくなり距離を置かれる、と……。

でないと、現在溺愛レベルの宰相である父や三人の兄が、ヴィクトリアの破滅を黙って見過ごすはずがないのだから。


まず、一番の課題としては我が儘令嬢にならない事!


まあ、これは私が記憶を取り戻した時点でなる可能性は低いはずだ。

だって、今の私って滅茶苦茶恵まれているんだもの。

三食昼寝付きの気ままな生活だし。(三歳児なら普通はそうなんだが)

欲しい物は何でも与えられるし。(実家は金持ち)

母はいないが、父と兄とは仲良し。(只今、溺愛中)


他に何を望めと?

これ以上は無理無理!

私の神経がすり減るわっ!

今の状況に胡座をかかなきゃ、まず大丈夫だろう。


次に誰の婚約者にもならない事!


これも精霊と契約出来た事で回避が可能となった。

よっしゃー!


貴族という者は小さいうちに婚約する事が多い。

ここで婚約しないとなると、高物件は割と早い段階で売れてしまうため、大きくなればなるほど、選択の余地がなくなってしまう。

だが、いいんだ!

私は行かず後家でも構わない!

とりあえず、生き残るんだ!


あとは兄達がマリエッタと恋仲にならないように祈るだけだ。

攻略対象者が多いという事は、それだけ兄様達と恋仲になる確率が低いという事だ。

人生は一度きりだ。

夢のように何度も何度も繰り返される事なんてないのだから。


六年後が勝負の時となる。

まだ時間はある。

まずは情報を集めて、出来る事からやっていこう。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ