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死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
準備期間です。
29/40

29.またです

「なかなかの逸材なのは間違いないですね」

《だろ? 契約しろよ~》

《リアは良い子だよ。雷の、ぜひ契約してくれ》


いやいやいや!

二人とも凄ーく契約を勧めているんだけどぉ!?

だから、本当にちょっと待とーよ、ねぇ!


《リアちゃん、ただいま~》

「ミリアっ!」


ああ、私の救世主が戻ってきたっ!

ミリア、この状況をなんとかして~。


《あら~。リアちゃん、可愛いおめめが涙目よ~。私がいない間にまた何があったのかしら~? そこに転がっているのが、この期に及んでまで何かしたのかしら~?》


あ、カイル=スピネルのことをすっかり忘れていたわ~。

……気絶してるね。

うん、じゃあ、また放置でいいよね?

そんなことよりも――


「ミリアー、ヒューとルークがぁ~~~」

《あらあら? ヒューリーがどうかしたの~? それとルークっていうのは誰かしら~?》

《俺だ、俺》

《あら~? 風の~? あなた、やっとリアちゃんと契約したのね~。気にしているのが見え見えだったのに、全然行動しようとしなかった姿はれったかったわ~》

《う、うるせー! 今はそれ、関係ないだろっ! それよりも今は雷のほうだよ!》

《雷の? あらあら~、珍しいわ~。あなた、正体をバラしたの~?》


あ、ミリアも雷の精霊さんとは顔見知りなんだね。


《雷のとリアを契約させようとしてるんだよ》

《あら~? 雷の、そうなの~?》

「ええ、契約しようと思います。お嬢さん、私に名前をいただけますか?」

「えっ!? いやいや! ちょっと待とうよ!」


やっぱり契約しちゃう流れなの!?

上級精霊はほいほい契約しないんでしょう?

何で私に限ってはほいほいしちゃうわけっ!?


「ミリア~。こんな簡単に契約するのはまずいよね? 考え直すように説得して~」

《リアちゃん、リアちゃん》

「ん? なーに?」

《契約しちゃいましょうか~》

「えっ!?」


まさかの、ミリアも契約推奨派かっ!

父達のほうを見れば、“自分達は口を出せません”とばかりに首を横に振られた。

み、味方がいない!?


《リアちゃんの気持ちもわからないでもないけどね~。でもリアちゃん、精霊っていうのはね、嫌な相手には絶対に契約を持ちかけたりしないのよ~。だからね、契約の話が出たら受けてくれたほうが嬉しいのよ~》

「うぅ~~~」


そんなこと言われたら、これ以上拒否できないじゃないかー。


「わかった。えっと……ジルさん、これからよろしくお願いします。……でも、ジルさんは名前はあるよね? それなのに私が名前をつけるの?」

「ジルは前の契約者がつけてくれた名前なのですよ」


おお~、ジルさんは前にも人と契約したことがあるんだ~。


「新たに契約する場合は、その契約者に新しく名前を貰うものなんですよ」

「……そうなの?」

「はい」


でもでも!!

ジルさんは穏やかそうな笑顔をしているが、少し悲しそうなのだ。

あれは名残惜しいって感じの表情だよね?

やっぱり愛着ってあるよね……。

前の契約者と良好な関係だったのなら、尚更!

んーと、んーと……そうだな~~~。


「じゃあ、ジルベール。ジルって呼んでもいい?」

「ジルベール……ジル……。ありがとうございます、リア」


ジルさん改め、ジルベールは朗らかに微笑んでいた。

良かった、気に入ってもらえたようだ。





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