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死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
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19/40

19.ただの石だよね?

「ねぇ、お父様ー。精霊除けってなーに?」

「ん? これが精霊除けだよ、リア」

「これー?」


父が示したのは騎士が持っていた、両手に収まるくらいの大きさの灰色の石だった。

ふむふむ、コレが精霊除けか……。

ん~……どう見ても、これって普通の石だよね?

ヒューリーやミリアも初めて見るらしく、興味深そうに石を眺めている。


「ヒュー、ミリア。近寄って大丈夫なの?」

《問題ないよ》

《大丈夫ね~》


精霊除けなのに精霊が近づけているけど……何故だ?


「今は魔力を抜いてあるから、ほとんどただの石だよ」

「魔力を込めると精霊が近づけなくなるの?」

「そうだよ。そして、この石の大きさによって効果の範囲が増減するんだ。この大きさだと、この邸分の敷地に精霊を寄せ付けないようだね。それに魔力を込めれば色も銀色に変化するよ」

「へぇ~」


そうか。

これがこの邸あったから、屋敷内に精霊がいなかったのかー。

……あれ?

でも、これってさっきまで使われていたんだよね。

なのに今は効果を発揮していない?

丁度いい具合に魔力切れ、とか?

いやいや、そんなわけない。

あ、そういえば父が魔力を抜いたって言ってた!


「お父様、魔力ってどうやって抜くの?」


魔力を込めるっていうのは何となくわかるけど、込められている魔力ってどうやって抜くんだ?


「ああそれはね、魔道具を使って吸い出すんだよ」


へぇ~、そんな魔道具があるのかー。


「お父様、リアもその魔道具が欲しいー」

「えっ?」

「ダメー?」


また魔力の込められた精霊除けの石に遭遇しないと限らないから、その魔道具は持っておきたい。

魔力を吸い出すって、他にも利用できそうだしね。


「もちろんいいに決まっているだろう」

「いやいやいや、宰相様っ!? これは数が少ない魔道具ですから探し出すのも大変ですし、物凄く高価な品ですから! お子さんにぽんと買い与えるようなものじゃないですからねっ!?」

「何を言う! 娘の可愛いお願い事は叶えるのが父親だろうっ!」


父は二つ返事でOKしてくれた。

しかし、話を聞いていた騎士さんが慌てたように意見を言ってきた。

そうか、これってあまり数の出回っていない魔道具なんだ。

それに魔道具なんだから、それなりの値段はするよな。


「じゃあ、リアが払うー」

「「えっ?」」


父と騎士さんがびっくりしたように私を見た。

正確な値段はわからないが、私の財力なら買えると思うんだよね。

あまり高いものを父に強請るのはよくないしな。

うんうん、ここは自分で買っちゃいましょうか!


「お父様ー、リアのお金で買えるよね? 足りない?」

「……充分足りるな」

「じゃあ、探すのはお願いしていい?」

「えっ! お嬢様が自分で買うんですかっ!?」


騎士さんが驚いて声を上げた。

まあ、驚くのは仕方がないか。

子供が大金を持っていると言っているようなものだし。

まあ、騎士さん、細かいことは気にするな!





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