表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
死亡ルートを回避せよ!  作者: 水無月 静琉
準備期間です。
13/40

13.仲良しです

――コンコンコンッ。


「はーい?」

「リア、入るよー」

「フリード兄様!」


私は本日、自室で読者をしていた。

そこに長男・ヴィルフリードがやって来た。


「お帰りなさい!」

「ただいま、リア。いい子にしてたかい?」

「うん!」


兄はソファーに座っていた私の隣に腰掛けると、「いい子いい子」と私の頭を撫でる。

こうやって撫でられるのって、結構気持ちよかったりするので私は好きだ。

もっとやって~、とばかりに私は兄にすり寄った。


「リアは甘えん坊さんだね」

「うん! 兄様もっと~」

「いいよー」


現在、十二歳になるフリード兄は既に初等部に通っているため、構ってもらえる時間がぐーんと減ってしまっている。


「フレッドとバードももうすぐ来るよ」

「本当!?」


十一歳になる次男・ヴィルフレッドと十歳になる三男・ヴィルバードも、それぞれ家庭教師がついているため、長兄同様、最近は何かと忙しくしている。

今日は剣の鍛錬だったかな?

私は私で、ヒューリーと一緒に薬草を育てたり、薬を作ったり、ミリアが最近ハマっているお菓子作りを一緒にしているので、暇を持て余しているわけではないが、やっぱり兄達に構ってもらえないのは寂しかったりする。

だけど今日は兄達が、三人揃って構ってくれるようだ。


――コンコンコンッ。


「「リア、入るよー」」


噂をすれば!

フレッド兄とバード兄が私の部屋にやって来た。


「あ、フリード兄さん!」

「フリード兄、狡いぞっ! 先にリアを独り占めしてるなんてー!」


フレッド兄とバード兄は私のもとに小走りで来ると、フレッド兄はフリード兄のいない反対隣へ。

バード兄は私の正面へ。

そして私にぎゅっと抱きついてきた。


「うにゅ……」


イケメンな父に似た兄三人はもちろん美形です。

最近は幼さが抜けて、少し凛々しくなってきている。

そんな三人からのナデナデとぎゅうのコラボ!

これはなんのご褒美でしょうかー!


「はぅ……」


さらにほっぺや額にちゅぅ、と。

どれだけ私を悶えさせる気ですかっーーーー!!?


「そうだ! リア、クッキーを貰ってきたよ。はい、あーん」

「あーん」


フリード兄が布包みを取りだし、そこからクッキーを一つ摘んで私の口の前に。

もちろん、反射で口を開けたさ!


「俺も俺も! リア、あーん」

「あーん」


今度はバード兄が。

さらに続いて、フレッド兄が「あーん」してこようとしていたけど……。

もぐもぐっ。

口の中が一杯だからちょっと待って!

私はフレッド兄が摘んでいたクッキーを強奪して、逆にフレッド兄の口元へ。


「フレッド兄様、あーん」

「あーん」

「リア、私にもして」

「フレッド兄だけズルイ!」

「いいよ。はい、あーん」

「「あーん」」


嬉しそうにするフレッド兄にクッキーを食べさせると、フリード兄とバード兄が自分も、と催促してきた。

なので、私はフリード兄とバード兄にもクッキーを食べさせた。


「ふふっ、リアが食べさせてくれたから凄く美味しい」

「そうだね」

「うんうん」


兄達よ、このクッキーがもともと美味しいのだからね。

私に食べ物を美味しくする旨味成分はないぞ!


このあと、兄三人による甘々タイムはたっぷりと続いた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ