夏至の出来事 マッドハッター
ここに座ればいいのか?
竜光は躊躇いながらも椅子に手をかける。
この時、彼は周りの景色のことは気づいていない。
今まで様々な任務をこなし、数々の状況を体験していた彼なのだが
完全に相手のペースにのまれていた。
竜光は言われたとおりに椅子に座ったが、何も起きない。
なんなんだ、いったい。っとその時!
ピカーっと周囲がが光りだした。
「?!!」
白い光に包まれた竜光が周囲を見渡すと、眼下にはこの状況にいたるきっかけとなった大きなチェス盤が。
そして前を向いた先には、同じように机を前に椅子に座る青髪の少女が最初に見せていた、どこかイヤらしい笑顔を浮かべていた。
「うふふふふふふふぅ、あなたすごいのねぇ。そんなに光る人はあんまりいないのよ?」
次第に竜光の前にあった机が透明になっていく
透明なチェス盤がその上に置かれていた。
そして、視線を戻すと同じ様に少女の前にも透明チェス盤が置かれていた。
「これ凄いな!!演出も最高だよ!!」
竜光は少女へ届くように声を張り上げる。
青髪の少女は笑いながらも、一瞬うつむき、その嬉しそうな声を聴いていた。
「さぁ、早くやりましょう!」
青髪の少女も声を張り上げる。そこにはためらうような仕草はなく、決意を感じさせる声色だ。
「ちょっと待った!まだ君の名前すら、聞いてないんだけど!!」
竜光は目の前の少女の名前すら知らないと今更ながら気付いた。
しかし、少女は竜光の声など聞こえていないのか、あえて無視をしたのか告げる。
「名乗りを上げなさい!」
「え?」
「プレイヤーネーム、本名、あだ名、ハンドルネーム、偽名何でもいいから!!」
「私からいくわよぉ」
そひてまた、少女は一瞬痛みを隠すような顔になり叫んだ。
「我が名は・・・・《マッドハッター》!!」
ドーーーーーーーーーーーーンッ
大きな音が鳴り響くと同時に、地面を赤紫に染めていた「何か」が集まりな
透明なチェス盤の上に駒が現れた。マッドハッターと名乗った青髪の少女の駒は、、、
その駒はどれも可愛くキャラクター化された動物に包丁などが刺さり、血が垂れていた。
どの駒も、少女と同じゴスロリファッションに身を包み、少女と同じようにシルクハットを被っていた。
透明な盤上に、マッドハッターの駒達が並んだ。
マッドハッターと名乗った彼女は叫ぶ。
「さぁ、早く、狂ったお茶会を始めましょうよぉうぅ!!」




