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繰り返しの人生で勝ち組になるんだい!  作者: 宇野零
弱くてニューゲーム
33/35

オウムのローリー。



「おい、レッド戦闘準備だ。」


「グルルル」


「鏡野さんも、身を守る術は?」


「私は通り抜ける事ができます。えーっと、すごく逃げる事が上手だと思ってください。」


「いざという時はその能力で自分の判断で避けるんだ。レッド守り切れないかもしれない。」





鶴見と少女の問答続く。


「ミズキちゃんは、人間をどうするの?」



「うーん、マイさんは可愛いからなぁ。ペットにしてあげる!あっちの男の人彼氏?彼氏もペットにしてあげるよ!!」



鶴見は少女の言葉を聞いても声さえ揺らがず、問い掛ける。



「人間はミズキちゃんじゃなかったらどうすることが多いの?」



「うーん、まずペットでしょ、食べたり、千切って遊んだり、でも子供はペットにする子が多いよ!大人は調べたりするっ言ってる。」




「獅子ケ谷、もういいかな?」



「あぁ。もういいよ。ありがとう。」


こっちに近付いてきた鶴見は俺に抱きついて来た。

体は汗だらけで夏だというのに冷えきっていて、震えている。



「マイさんどうしたの?」



「鶴見、鏡野と一緒に少し離れていてくれ。」


「うん。ごめん、危なくなったら助けるから。」


最後にギュッと強く抱きしめ、鏡野へ鶴見を預ける。

二人がホールの最後列に行ったことを確認して、俺は少女に問い掛ける。




「ミズキちゃんだっけ?」



「そうだよ!彼氏さんはお名前は?」



「・・・レオンって知ってるか?」



「わかんない。それが名前?」



「いや、違うよ。俺の名前は獅子ケ谷 竜光。」


「よろしくね、りゅうこうさん!」



「もう少し聞いていいかな?」


「うん、いいよ。」



「マッドハッターって知ってるか?」



「うん!マッドハッターさんは私達魔族の偉い人だよ!」


やはり、魔族。



「今どこにいるか分かるか?」


「え、うーん。マッドハッターさんは研究でもっと海の方に行くって言ってたよ。」


横浜?



「なんか、赤の女王の新しいゲームを試すんだって!」


・・・ビッグチェス。


「もしかして、今朝から急に力が強くなったのもマッドハッターさんのお陰かな?新しいゲームできっといっぱい魂回収できたんだと思う!」


・・・目に浮かぶ青髪の少女とゾンビ達。



そうだ。


鏡野はあそこにいた金髪の子と瓜二つ。そして、レオンの時に出会ったパックと瓜二つじゃないか・・・・!!


鶴見は無事か?!

思わず二人の方を見るがキョトンとした顔の鏡野と、疲れた顔の鶴見。



「レッド、鶴見に付いていてくれ。」


何も言わず、鶴見の近くの席に止まるレッド。




「ミズキって本名か?」


俺は《花鳥風月》を手にしながら問う。



「やだなぁ。そんなわけ無いじゃん。人間じゃあるまいし。」



「本当の名前は?」


「ペットにするしね。教えてあげるよ。私の名前は《ローリー》だよ。」



ローリーと名乗った少女の体に緑色の羽根が生え、黄色い嘴、というか、あの姿は・・・オウム?



「オウムの《ローリー》?」


「そうよ!私はオウムの能力を持っている!あなた、マイさんの彼氏なのに、武器なんて持って野蛮よ!力づくで言うことを聞かせてあげる!!」




「最後に一つだけ。青の宝玉はどこに?」


「クゥー?これよ・・・同化!」



「残念だったわね!これで、宝玉を狙うことはできな」



「《威風堂々》!!!」



俺の体を中心に大気が渦巻いている。



「もう聞きたいこともある程度聞いた。お前はもう用なしだ。」



「クゥー!その程度で!」




カキン




荒れ狂っていた大気は落ち着いている。

何も無かったように。



「おい、鶴見大丈夫か?」


舞台を降りようとする俺を魔族が止める。



「ま、待て!」



ボト。



舞台上で何かが落ちる音がする。



「まままっま待て!これはなんだ?貴様はなんだ!」



上半身になりつつも喋るオウムのローリー。

オウムって本当にお喋りなんだな。

俺は舞台を振り返り言う。




「俺は・・・正義の味方だよ。移籍はしたけどな。これでも正規の正義の味方だ。」



オウムは呆けた顔をした後に勢い良く飛び立った。


バサバサバサッ


「ふざけるなァぁ!」



鋭い爪で俺を切り裂きに来るが




「遅い。花鳥風月の・・・《月》」


俺は力を込めて目の前の存在を切り裂く。

原宿で放った様に。



ゴゴゴと何かに飲まれていくように消えるオウムのローリー。

肉片すら残らず、消えていった。



「制御は・・・上手くいったようだな。」


失敗したらホームごと消えていてもおかしくなかった。

だが、原宿から渋谷までの短い間に成長を実感していた。


坂道で放った一撃で制御を試したというのもある。




「鶴見の心を傷付けやがって・・・欠片さえ許さねぇ。」



こうして渋公での戦闘は幕を閉じた。

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