表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
繰り返しの人生で勝ち組になるんだい!  作者: 宇野零
弱くてニューゲーム
30/35

鏡の世界の街

「ふむふむ・・・?」


急遽、鶴見による診断が始まった。


「なぁ、後じゃダメなのか?」


この辺りには化物はいないけど、渋谷、六本木にもいるなら急いだ方が・・・


「急がば回れって言うじゃない。獅子ケ谷の能力が暴走してあの威力か、制御出来ていてあの威力かは重要なんだ。これからの戦闘にも関わってくるしね。」


それはそうだけど・・・気が焦る。

自分が不甲斐ないばかりに、助からない人がいるんじゃないかと・・



「あ、大丈夫ですよ、獅子先輩。私の能力で閉じ込めましたから。」


「鏡野さん。能力・・・《合わせ鏡》だっけ?」


「えぇ。鏡の世界に対象を放り込めます。どれだけ入れられるかは質量や強さにもよるんですが・・・今周囲にいるのは雑魚だけのようです。」


「すごい能力だな。世界を作るなんて、無敵じゃないか。」


「あ、いえ作ってはいないんです。元々ある鏡の世界に私は道を切り開くだけなので。」




「鏡の世界って・・・あるのか?怪談の中だけかと思ってたけど。」



「今いるじゃないですか。」



「まぁ、そうなんだけど・・・」



「獅子ケ谷、余計な事言わないの。・・・はい、診察完了ー。いやー、やっぱり機械がないとお師匠のようにうまくいかないねー。」


「お疲れ、どうだった?さっきの力は、暴走だったのか?」


「いえ、暴走じゃなかった。それどころか、まだ全力じゃないようね。」


「どうして分かるんだ?」


「えぇっとね、能力の吹き出る出口があると思ってくれれば良いんだけど、その出口がまだ半分も開いていない。扉をちょっと開けて顔を出してる位かな。」



さっきの力は少し恐ろしくなる位の威力だった。

でも、まだあれ以上があるのか・・・?



「ビビらないの。確かに強い力だと思う。ただ、今はその片鱗でしか無いし、どれだけの力を持っているかを理解しなきゃ、制御すら出来ないんだから、今は自分の力を解放する事を優先させて。」



「そっか、そうだな。そうするよ。」


専門家が言うんだ、大丈夫だろう。

それに自分が強くなる事は優先事項だ。足手まといになってはしょうがない。



「いざとなったら、私が閉じ込めてあげますよ!」


閉じ込められるのは嫌なんだが・・・

ここなんかオドロオドロしいし、見知った街の廃墟だしでいい気分はしないんだよなぁ。




「ほら、そろそろ行くよー?」




俺達は、渋谷方面へと歩き出した。


「どっちから行くんだ?」



「えっと、目的地は渋公なんだけど、明治通りから回り込んでいこうか。」


「じゃあ、こっちですね。」



「目的地があるのか?」



「魔物の拠点となってる場所があるみたいなの。1つはさっき獅子ケ谷が切り倒したラフーレ原宿。今向かっているのが、シブイ公会堂。あと一つが、六本木フルズ。」


「・・・伏せる意味ってあるのか?」


「あるかもしれないじゃない!あとで怒られるのは嫌なの!」


誰にだ。




途中途中で、何体かの魔物に出会うが、問題なく排除した。

さっきの魔物の量はやはり異常だったみたいだ。


俺達は明治通りから渋谷、スクランブル交差点に来た。


しかし、この世界は本当にオドロオドロしい。あんなに目立つ109の看板も壊れてるし、そんなに新しい建物ばかりじゃないとは言っても、とにかく破壊されている。



廃墟とは言っても、壊れかけの建物だから、どこかに何かが潜んでいるんじゃないかと思うところがミソだ。



俺は鶴見ほど探査能力が優れていなくて、なんとなくいる気がする。強い力をなんとなく感じるというくらいだから、そう思うだけなんだろうけど。


もう少しで渋公だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ