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夏至の出来事 補習

「獅子ヶ谷、おはよう。」


「あぁ、鶴見、おはよう。まさか完全無欠の委員長がテストの補習か?」


「違うよ、私は補習テストの準備と生徒会のために来たんだ。」


「え、それは悪いな。補習って言っても受けるのは俺だけだろ?」


「う、うん。でも、生徒会で会議があるってゆうのが大きい理由だから気にしないで!別に先生に頼んで補習の手伝いをしているわけじゃないから!獅子ヶ谷のためじゃやないから!」


「そうか・・・」

そんな力強く言わなくても・・・・

俺が少し凹んでいると鶴見は言う。



「違うの!獅子ヶ谷が補習ってことはわかっていたから、どうせなら補習の後にどこか行こうと思って!」


「あぁ、こないだ話した映画に行きたいのか?」


「うん、そう、そうなの!ヒーローが集まって悪い奴と戦うあの映画、名前は忘れちゃったけど、気になって!」


「じゃあ、補習が終わったら連絡するよ。」


「わたしも、生徒会の会議もすぐ、すぐ終わるから!いつでも連絡して!!」




この鶴見はクラスの委員長で、中学からの腐れ縁。

今日は一般の生徒が休みの日。


そして俺は先日の中間テストで赤点を取った。

やむを得ない理由というか言い訳はあるんだが


「さ、始めるぞー!鶴見、お前まだ生徒会室行ってないのか?生徒会長が探してたぞ?」


「え・・・?じゃ、じゃあさつきさん、失礼します!獅子ヶ谷、あとでね!」

慌てながら去る鶴見に手を振り見送る。



「さ、獅子ヶ谷。補習だ。」


「はい、佐藤先生、なんとか寛大なご処置をお願いします」


「これで赤点なら、また補習だからなー。」


「なんとか、平に、平にご容赦を!」


「使い方は間違えてはないが、今は江戸じゃないからなー?」



ニヤニヤしながらさつきさんは続ける。



「しかし、お前も隅に置けないな。補習が終わったらあんな美少女とおデートですか?おい。」


「いやいや、お代官様ほどでは」


「それは、デートする相手のいない私への嫌味か?」




和やかにこの補習を終わらせるための術が裏目に出たようだ。


凍った空気のまま、補習が始まった。」



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