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ちょっとしたことで僕の

作者: KIDS
掲載日:2015/05/29

「邪魔」


そう言われて僕は友達に力強く押された。


「僕なにか悪いことした?」


そう問いかけると、その友達は僕を無視した。そして視界に入らないように背を向け、他の友達と階段を降りて行った。



僕は意味が分からなかった。突然、話している最中に「邪魔」何て言って、最後には無視して僕を置いていくなんて。


『理央(りお)』


それが僕の唯一の友達。

昔から探し求めていた気が合う友達。

この日まで毎日都合の合う日はいつも遊んでいたのに。

今日、僕は理央に初めて見放された気がした。


なんでだろう、なんでだろう、僕なにか悪いことしたかな。

怒らない、口も悪くない、いつも僕の言うことに笑ってくれる。

今日まであんなことされた事なかったのに。

それなのに。


思いあたるものがない。

悪いことした覚えがない。

他の友達となにかあったのかな。

放課後聞いてみよう、そうだ、あの時はただ急いでた理由でもあったんだ。

僕はそう思いこませて午後の授業へ向かった。


理科の時間だ。理科の実験室に行って、今日は班で実験を行う日だ。


班はいつも自由で8人で固まればいいものだった。他のクラスメイト達は3人、もしくは5人のグループが多いから、他の人がちょっとずつ分かれたりして、班になりやすい人数だった。


当然僕は理央と一緒の班になろうとする。

いつも班分けになるとすぐに僕のところに来てくれる。

だから、椅子に座りながら理央を待っていた。

けどあたり見渡しても理央がいない。

すぐ来てくれるはずなのに。



あれ?



僕はさっき一緒に階段を降りて行ってたグループを探した。

僕と一緒にいる時以上の笑顔を見せている理央がそのグループと一緒にいた。


僕はその授業、同じクラスの女の子たちのグループに入れさせてもらった。

会話が噛み合わない。

あぁ、また。

またしらけちゃった。

誰か笑ってよ。

僕はそんな状況のまま何もできずで授業を終えた。


授業終わり、

クラスに戻るまでの廊下。

こんなに長かったっけ。


一人で歩く廊下。

こんな静かだったっんだ。


クラスに戻ると机に一人。まるで忘れ物みたいにポツリと置かれているような気分。


もう今日の授業は理科の実験で終わった。

教室中が会話や走っている音でいっぱいの中

僕は理央の席に向かおうともしなかった。


他の友達と仲良く明るい雰囲気の中、

いつもとは違う笑顔が。


「本当、ゆうたってそんな奴だったよ!」


そんな声が耳に入ってきて気づいた。

僕の名前だ。僕、何を話されてるんだろ。

気になって仕方がない。なんの話してるか聞きに行こう。そう思うけどもう席を立つ勇気もない。


今日はそっとしておいた方が良いんだ。


「起立、礼。」


帰りの会が終わると僕は、すぐに家に帰った。

どうせ一人になるって分かってたから。


家に帰るまでの道が廊下が永遠に続いたようだった。


もう嫌だ。誰か一緒に居ようよ。

一緒に話そうよ。一人はやだよ。


家に帰ると僕は自分の部屋にこもって布団にくるまって考えていた。


考えすぎなのかな。けど今まで一度もあんなことやられたことないのに。


ふと、りおからメールがくる。



「まだ?」



急なメールで内容が意味がわからない。

送信ミスかな。それとも僕をいじめて…

自分の髪をくしゃくしゃにして僕はすぐに夢の中へ飛び込んで行った。



夢の中は退屈しなかった。

小学校の頃の頃だろうか。春、桜が咲き乱れている学校の中、心がうきうきしている気分だ。

校庭に整列した時、ふと横に見えた名札。


『にかいどう りお』


そうだこの時僕はふと、その子に話しかけたんだ。


「りお、くん?ぼくゆうた。友だちになろう?」


「えっと、ゆうたくん?ぼくも友だちになろ!」


ニコニコした笑顔。その顔が急にきつくなる


「邪魔」


急にその冷酷な言葉が脳裏に浮かぶ。



僕は夢の世界から目を覚ました。

起きてみると鳥の声が聞こえ、朝日がほんのりあったかく自分にあたっているのがわかる。



僕はすぐ朝ごはんを食べて、僕はまた一人長い廊下を歩いてクラスへ向かった。


登校途中、理央がいるのが分かった。

話している最中に僕が視界に入ったのが分かったのか、すぐさま目をそらした。


悲しい。もう二度と口を利いてくれないのかなと思ってしまう自分がどんどん嫌になった。


登校だけで半日過ぎたぐらい長い気がしたけど時間がたつのが今までで一番長い気がしてならなかった。


学校についても以前として理央は、他の人と話している。


見ているだけの自分、なにもできない自分、



こんな自分が1週間続いた。



僕はもう学校が嫌いになった、正確には行く気がなくなった。

毎日のように部屋に閉じこもって、夢をみて。


僕はこんな自分を変えようと思った。


この日なんとしても理央に話しかけるんだ。

最後のやりとりがあのメールで終わってる。

そのメールの話しでも、なんで邪魔って言ったの?とかでも幾らでも話す話題があったから必ず話してみせる。


自分にそう言い聞かせた。


僕はクラスにつくと、上履きのかかとを踏みつぶし、あいつの机に向かって行った。


「一緒に話そ」


無愛想に言ったその言葉には、自分の精一杯の感情を込めた。


「遅いよ!待ってたんだぞ。」


理央が笑顔で返してくれた。

僕はなにがなんだか分からなかった。

けどとても嬉しい事だけが分かった。

心の底から嬉しい事が。


「これが俺の友達。ゆうただよ。」


理央はとうとうと喋っていた。

僕の事について。僕の好きなもの、好きな話題や芸人などなど。


「だからお願い」


理央はその友達達に手を出して握手を求めていた。

彼は僕の方を向いて君もやってって言ってるような顔を見せていた。

僕はそれに即座に気づいた。


僕も訳も分からず手を出した。



彼らは僕らの手を握ってくれた。

理央はとても嬉しそうだった。


「ゆうた、これから僕達、友達だよ」


なんで?僕は話が飛んでいると思った。

けど僕は意味が少し分かった気がした。


それは、すぐ理央が付け足して言った。


「邪魔なんていってごめんね。

俺はゆうたが俺に頼りすぎてるな、って思ったから、意地悪しちゃったんだ。」


彼は手をいじりながらまた喋り出す。


「その間に俺はゆうたと気が合う友達探してたんだ。そしたらね、ついこないだ見つけてさ、その友達と絆深めてたんだ。」


そっか、そういう事だったのか。

僕はその友達達と一緒に笑顔になった。

なんかみんなで笑った。それがとても楽しかった。なにも面白いことはないのに楽しかった。


ひとりじゃないのはとても楽しかった。



「また遊ぼうね、ゆうた」



僕は理央が友達でよかったって思った。

荒れた部屋は綺麗になって、

僕はまた朝、理央と共に廊下を歩いた。


しかも嬉しいことに友達になった人達とも一緒に登校できるようになった。





長かった廊下が今では短い道に戻っていた。



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