北太平洋海戦2
次が最終回です
攻撃隊の収容を終えた特務艦隊のレーダーにヨークタウンとワスプより出撃した第二次攻撃隊が写った
「前原司令、レーダーに感あり数約80…敵機です」
「水上艦各艦は対空戦用意、迎撃機を出した後に空母は潜航せよ」
対空戦能力が高い諏訪級は一隻辺り15機の航空機を同時に相手できると想定されているため諏訪級が4隻いるこの艦隊ならやり過ごせる数だが、それは想定であるため迎撃として98式艦戦40機が上がった。また、黒龍級にも対空装備はあったが、損傷を抑えるために潜航を選んだ。
発艦を終え、潜航中に第二次攻撃隊が来襲した
「なんだあの空母は…沈みかけてるぞ、全機突撃、止めをさせ」
飛来した攻撃隊を迎えたのは沈んでいく空母と物凄い速度を出す戦闘機と今までに経験したことのない弾幕をはる巡洋艦だった。落ち着いて観察すれば、その空母が沈んでいるのではないと気付いたかもしれないが、彼らは気付かずに空母目掛けて突撃した。狙いがわかっている以上それを狙い打つのは簡単だった 。戦闘機が妨害し、攻撃態勢に入った機体は進路上に貼られた弾幕に突っ込んで爆散していき、攻撃できたとしても空母は既に海中に消えていた。そして、第二次攻撃隊も壊滅した
「スプルーアンス司令第二次攻撃隊帰還しました。帰還機は9です」
「戦果はどうだった?」
「攻撃した際に空母4隻が沈んでいたと報告されましたが、他の艦隊の攻撃でしょうか?」
「そういうことか…日本軍の奇襲のトリックが掴めたぞ、全艦転進せよなんとしても空母を沈めてはならない」
航空機を失ったスプルーアンス艦隊は転進しダッチハーバーへ進路を変えた。しかし、そこへミッドウェー航空隊が来襲した
「この最悪のタイミングで来たか。各艦応戦せよ、空母はなんとしても沈めるなよ」
しかし、スプルーアンスは日本軍の装備を侮っていた。突如、双発の日本軍機が空中で魚雷のようなものを投下すると、それは一直線に空母に向かってとび格納庫に着弾した
「あれは航空機か!航空機が突っ込んできたぞ」
実際には世界初の対艦ミサイル桜花であった。桜花は無線誘導式で母機または、誘導装置を積んだ機体なら誘導することができた。そして、桜花は900㎞を越える速度で対空網を突破し狙い通りに空母に着弾し、弾頭の800㎏爆弾はアメリカの虎の子の空母を撃沈した
「終わった…これで我が軍の空母は存在しなくなった。制海権の無い以上、我々に反攻は不可能だ」
日本軍の予想を超える装備の数々に米軍は翻弄されそして、破れた。しかし、この海戦で潜水空母の存在がバレてしまった。
この情報は海戦の結果と共にワシントンに送られた
「なんということだ。我が軍から戦艦と空母が居なくなった。これからどうやって戦えいいのだ?」
「大統領、半年で新型戦艦と空母が就役します。それまでの辛抱かと」
「日本軍が待つと思うか、潜水空母の対策は出来ているのか?」
「今は哨戒機を増やすことで対応するしかありません、現在新型哨戒機も開発中でそれが完成すれば問題はないでしょう」
「完成まではどれくらいかかる?」
「遅くとも一年以内には配備できます。また、対潜装備の充実した新型駆逐艦も建造中です」
「それでは間に合わん、日本軍は我々の準備が整うのを待ってはくれんのだ。何か手はないものか?」
「大統領、講話すれば良いのではないでしょうか」
「何だと…そんなことが許されると思っているのか?」
「日本が新たな講話の条件を提示しました。これで講話し、ナチスドイツとの戦いに本腰をいれつつ次の対日戦に備えればよいのです」
日本側が新たに提示した条件は、フィリピン独立と同時に朝鮮を独立させる、ハワイの非武装化(補給基地は良い)、1905年以前の日本領土と南洋諸島の日本領土承認、破棄されていた通商条約の復活だった
「なるほど、自分達も損をしてまで講話をしに来た訳か…これなら呑んでも良いだろう。しかし、日本、この講話の先には次の戦争が待っているぞ」
海軍が壊滅的打撃を受けたアメリカは日本との講話を認め、1942年3月1日に講和条約がハワイで結ばれた。この二日後、日本はドイツへの宣戦布告を行い第二次世界大戦は新たな局面へと突入することとなった。
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