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波乱の1942

早くもクライマックスです

1942年1月中旬 ワシントン

日本軍によってホワイトハウスを爆撃されてから近くのホテルを徴用しそのを臨時官邸として使用していた

「いったいどうなっているんだ我が軍は日本軍にやられてばかりではないか」

開戦してからというもの日本軍には一方的にやられ、ハワイとフィリピンはミッドウェーと台湾から飛来した爆撃機の爆撃により飛行場や停泊艦艇は壊滅し生産工場のないハワイとフィリピンは無力化されてしまっていた

「大統領、イギリス経由で日本が条件付き停戦を持ち掛けてきています。また、イギリスからも早期に講話し対独参戦を求むときています」

「真の敵がドイツなのは分かっている。しかし、日本とも太平洋の利権のため決着を着けねばならん」

「日本側の条件はフィリピンの早期独立、ハワイの非武装地帯化、ハワイ以西の日本領の容認、破棄された通商条約の締結の4つです」

「1つ目と4つ目は良いとして他は難しいな。まず、ハワイ以西の日本領に満州が入るかで変わるな、ハワイの非武装地帯化は不可能だ。ハワイは太平洋の中心に位置するこの重要性がわかっていて日本は提示してきたな。この条件での講話など言語道断だ突き返せ。それよりも戦況はどうなっているんだ」

「大統領、海軍は現在、残存する空母二隻を太平洋に回航中です。回航後は太平洋艦隊の残存艦と艦隊を編成しミッドウェーを攻撃します。また、サンディエゴがやられたためこの艦隊はダッチハーバーを母港とします」

「陸軍は海軍と呼応し海軍がミッドウェーを攻撃すると同時に修復を終えたハワイの飛行場にB-17を前進させ、そのままミッドウェーを爆撃しミッドウェーの日本軍を殲滅します」

「素晴らしい、国民の不安を払拭するためにもハワイを哨戒網を復活させねばならない期待しているぞ」

ハワイの飛行場が壊滅してからはハワイを基点とした哨戒網が途切れ、そのために第4航空艦隊によるサンディエゴ爆撃が成功してしまった。また、この頃には日本軍の潜水艦がハワイと西海岸を結ぶ航路の通商破壊を行っており、その被害の大きさから西海岸の船乗り達はこの航路を自殺航路スーサイドラインと呼んだ

「大統領、ヨーロッパ情勢ですが、イギリスが追い詰められています。ソ連では大粛清が行われているようでドイツとの国境にまともな戦力はなく、ドイツ陸軍の大軍が東ヨーロッパと北アフリカに増援されダンケルクの惨劇と相まって北アフリカは絶望的です。そのため連日、対独参戦と対日の早期講話を要求しにイギリス大使がきます」

「対独参戦は形だけでもしておけ、既に我が国の船舶にも被害は出ているのだからな今更だ。しかし、何故イギリスはこんなにも対日早期講話を要求してくるのだ」

「どうやら日本は我々との戦争が終わり次第対独参戦するとイギリスと約束しているそうで、一人でも多くの味方が欲しいイギリスにとっては味方である日米が戦いをやめ対独参戦してほしいと言うのが本音でしょう」

「講話にしろ何にしろ今後の戦況と日本側の態度次第だな」

一方その頃、イギリスは窮地に陥っていた。

1942年1月下旬 ドイツ

イギリスを発信したB-17などによる戦爆連合がボックスフォーメーションをとり、目標の都市に向かっていた。バトルオブブリテンでは昨年の中頃から投入されたFw190がイギリス軍機を圧倒し、海でも月を追う毎にUボートによる被害が拡大し留まるところを知らなかった

「ちくしょう、ナチスの奴等め調子にのりやがって。今に見てろよお前らを木端微塵にしてやる」

「血気盛んだなチャールズ、今回は戦車工場が目標だ。アフリカの奴等のためにも1両でも多く破壊してくれよ」

「任せろよジェームズ、このランカスターなら楽勝さ」

この部隊には新型機のランカスターが少数だが配備されており、優秀なパイロット達に回されていた。その時、ボックスフォーメーションの一番外側の機体が撃墜された

「来たぞ奴等だ。操縦は任せたぜチャールズ」

いつも通り迎撃のMe109が上がってきたが、この日はそれだけではなかった。この日、戦場に現れたのは世界初のジェット戦闘機Me262だった。機首などに20㎜機関砲を6丁装備しながらも速度は800㎞をオーバーする化け物だった。この化け物の前に戦爆連合は足並みを崩し次々と落とされていった

「こいつはまずいぞジェームズ、爆撃は中止だ。爆弾を投棄しろ、帰還するぞ」

爆弾を投棄したランカスターは一気に軽くなり戦場からの離脱を図ったが、新型機を逃がすようなパイロットはいなかった。B-17より少ない防御火器は容易く掻い潜られ、優先的に回されたMG151/20はランカスターを撃墜した。史実より早いジェット戦闘機の投入はイギリスの戦略爆撃を封じ込んだ。

史実より早く開発されたのにも理由があった。中華民国に軍事顧問を派遣していたドイツは満州で圧倒的な速さを発揮する日本軍機を目撃しこれに対抗するためにジェット機開発が促進され、ヒトラーの邪魔も無かったため早くに完成し生産設備などを整えた上で実戦投入され、実戦投入と同時に多くの部隊に配備され、制空権を押さえていった。こうした国際情勢も合わせて、日米は早くも交渉を開始し日本はアメリカに止めを指すべく準備を進めていった。

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