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誕生!黒龍級特級航空母艦

黒龍は昭和62年刊行のミリタリーイラストレイテッド21空母に掲載されていた米軍が計画中の潜水空母というのを参考にしました

1937年 大神

1935年から一年半かけて大神には大規模な海軍工厰が造られた。ここでは正規空母4隻同時建造が可能で、現在は二つのドックで早乙女博士が秘密空母と呼んだ特級航空母艦の建造が開始され残りの二つのドックではこの特級航空母艦と同時運用するための新型巡洋艦の建造が行われていた。特級航空母艦は計6隻の建造が決まっていたが、前代未聞の潜水する空母であるためまずは2隻を先に建造し不具合などを調べ改善した後に残りの4隻の建造が計画されていた。

特級航空母艦

全長 238m(甲板は229m)

全幅 24m

艦載機数 57,6

排水量 23000トン

連12,7㎝高角砲×5、40㎜機関砲×24、25㎜機関砲×36

この空母は就役したばかりの新型空母飛龍をベースとしているため、艦載機数などが似通っていた。また、普通の潜水艦は軍艦ではないため菊の御紋は付かないが特級航空母艦に限っては菊の御紋が付けられることとなった。他の海軍工厰でも改装や新型艦の建造が進められ、海軍の新たな整備計画に沿った装備品が揃えられていったが、問題は航空機のほうだった。

搭載するエンジンは総技研と有澤重工が開発したターボプロップエンジン曙(6800馬力相当)に決まったが、航空会社がこのエンジンに耐えられる機体の設計に手こずっていた。何せそれまではあっても800馬力ていどのエンジンしか取り扱ったことがなかったのに突然6800馬力のエンジンを渡されてもどうしようもなかった。特に中島や三菱などの今まで戦闘機を作っていた会社はそれまでの固定概念などで機体の開発に失敗し、今まで戦闘機を作ったことのなかった会社のほうが良い機体を開発することが多かった。

98式艦上戦闘機 川西飛行機

全長 9m

全幅 11m

航続距離 1800㎞

12,7㎜×4、37㎜×2

搭載された兵装は陸軍からの依頼で日本特殊鋼と総技研が共同開発した12,7㎜機関砲と37㎜機関砲だった。弾数は300発と50発で、当初は採用を渋っていた海軍もその性能の高さに採用を決めた機関砲だった。これにより、陸海両軍で航空兵装の互換性が産まれた。

99式艦上攻撃機 愛知飛行機

全長 12m

全幅 15m

航続距離 2400㎞

37㎜×2、積載量2,8トン

この艦上攻撃機は大型化してしまったため、少しでも重量を抑えるために逆ガル翼を採用し一人のりになった。この他にも双発陸攻や双発戦闘機、四発陸攻が開発された。

1939年

遂に最初の特級航空母艦が完成した。この空母には黒龍と名付けられ以降、特級航空母艦には龍と付けられることとなった

「山本さん、本当にありがとうございました。私はこれの完成を見れただけで幸せです」

「いえ、早乙女博士のおかげで我々の装備品も充実して来ました。今ならアメリカとも2年は戦ってみせますよ」

「なんと心強い、技術者冥利につきますな」

1941年

1937年の中華民国の満州侵攻以来、日米関係が悪化していた。1937年に中華民国は清の後継者として、清の領土を奪還すると宣言し満州に侵攻。アメリカはこれを認め、中華民国を支援し日本に対して満州の中華民国への返還を要求した。これにより、日米関係は悪化しそれとは逆に満州事変で悪化した日英関係が好転した。これはイギリスも香港が攻撃されるのではないかという不安から日本に接近したためであった。これにより日本はそれまでアメリカから戦略資源を買っていたが、イギリスに変えていった。これによりアメリカ製の高オクタン価のガソリンは手に入らなくなったが、すでに陸海両軍の第一線の航空機は国内で生成可能な軽油を使用するターボプロップエンジンなどに切り替えがすんでいたため問題なかった。

10月 横須賀

それまでは旗艦長門にあった司令部は陸に上がり、山に掘られた壕の中に移されていた

「司令長官、遂にアメリカとの開戦が決まりました。このまま交渉に進展が無ければ12月です」

「今の我々の陣容はどうなっている?」

「戦艦6空母22軽巡洋艦42駆逐艦116潜水艦84です。しかし、条約のため駆逐艦の内の何隻かは常に抜けることとなります」

ここでいう条約とは1940年に日英間で結ばれた日英防衛協力条約である。この条約はドイツの猛攻に押されているイギリスが東洋艦隊を引き抜くために提案してきたもので、日本軍が香港からインドまでの海域の船団護衛を行う代わりに見返りとして戦略資源を輸入していた。最近は、イギリスが相当切羽詰まっているのか内容が強化され護衛範囲がスエズまで拡大した。そのため、今まで以上に船団護衛に割かれる艦艇が増えたため以前より計画されていた戦時急造駆逐艦の増産と大規模な要員育成が行われていた

「開戦直後は以前から予定されていた通りにやろう。そのために整備してきた我が軍だ、それが最善だろう。陸軍は何と言っている?」

「満州での中華民国との紛争が片付かなければ兵力を割けないため、戦線の拡大は極力押さえてほしいとのことです」

「そうか…仕方あるまいアメリカは我々でどうにかせねばな」

そして1ヶ月後、アメリカとの交渉は進展の無いまま決裂し、遂に日米開戦が決定した。こうして日本は数倍もの国力を持つ大国との戦争へと向かっていった。

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