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秘密空母計画始動

なるべくGWの間に完結させます。

1934年10月

当時第一航空戦隊司令官であった山本五十六のもとに早乙女大五郎が訪ねてきたのが秘密空母の始まりだった

「お初御目にかかります。総合技術研究所所長兼有澤重工社長を務めております早乙女大五郎と申します」

「有澤重工って言ったら新型駆逐艦の高圧缶を作ったところか、そんな会社が航空戦隊に何のご用ですかな?」

「航空戦隊ではなく、山本司令にお話したいことがありまして」

「ほぅ私にですか、何でしょうか?口利きは出来ませんがね」

「山本司令は空母10隻航空機800機あればアメリカと1年は戦えるとおっしゃったと聞いたのですが本当でしょうか?」

「確かにそう考えております。あまり理解はされませんがね」

それを聞くなり早乙女は鞄から書類を出した

「私なりに考えた対米戦のための秘策です。山本司令にはこれの実現に協力していただきたい。見返りはあります」

早乙女が出した書類に書かれていたのは空母の図面であった。しかし、この空母は見た感じは普通の空母だか、煙突が無く船体も正面から見ると楕円形になっていた

「何ですかこの空母は?こんな艦型では速度が足りず発艦が不可能だ。第一に排煙のための煙突がない時点で艦として機能しない」

「この空母、我々は秘密空母と呼んでいますが…は潜水空母です。そのためこのような船体をしています。煙突が無いのは原子炉という機関を使用しているからです。既存の機関とは桁ちがいのパワーを持つ原子炉によってこの船体でも30ノット近く出せる上に発電の時に出る蒸気を利用して蒸気カタパルトを使用できるため現在の艦載機なら難なく発艦出来ます」

「潜水空母だと!確かにそれなら米軍に奇襲をかけることが出来る。しかし、潜水艦は攻撃に対しては脆弱だ、そんなものを作るなら普通の空母を作ったほうが良い」

「この空母は潜水艦と言えど防御能力は普通の空母と同等かそれ以上です。また、非常時は潜行すれば新型特殊鋼によって250メートルまで確実に潜れます」

「すまないが、今日のところは帰ってもらえるかね?こちらでよく考えさせてほしい」

「分かりました。もうひとつの書類は秘密空母の建造していただいた場合の見返りとして用意できるもののリストです」

そう言い残して早乙女は部屋を出ていった。部屋には山本と書類だけ残された。

数日後、山本五十六の方から早乙女を呼び出した

「そろそろ呼ばれる頃だと思っていました。協力していただけるのですか?」

「あの書類にあった全ての装備品をどれ程の期間で揃えられるかで答えが決まりますな」

「どんなに遅くとも5年以内に必ず配備させられます。そうしなくては戦争に間に合いませんからね」

「分かりました。その言葉を信じましょう、私も秘密空母計画に協力しましょう。しかし、上の考えを変えねばこの計画は頓挫してしまう大艦巨砲主義を覆し航空主兵論を認めさせる案はありませんかね?」

「試験中の双発艦攻を使って証明しましょう。摂津は遠隔操艦が可能だと聞きました。それに雷撃して、摂津を撃破すれば上層部も認めざるを得ないでしょう」

「しかし、現在の航空魚雷で戦艦を撃破可能でしょうか?」

「そこで磁気信管魚雷を使いましょう。これは磁気に反応し爆発する信管を搭載した魚雷で、艦底で爆発し艦艇の弱点である竜骨を破壊することが可能です。これなら戦艦にも致命傷を与えられます」

「なるほど、リストにあった装備品の1つですな。どれ程で用意できますか?」

「3ヶ月もあれば大丈夫です。山本司令は準備をお願いします」

4ヶ月後 呉

海軍上層部が集められた。この証明のための会は表向きは新型航空魚雷の御披露目式として開かれた

「新型航空魚雷の標的にわざわざ戦艦を用意したのはなんか理由はあるのかね山本少将」

「はい、大艦巨砲主義と航空主兵論の争いに決着をつけようと思いまして」

そして、試験中だった双発艦攻、後の93式陸攻が3機編隊で飛来した。それぞれの機体の胴体下には魚雷が懸架されており、遠隔操艦されている摂津に対して魚雷が投下された。投下された魚雷は偏差投下され、3本のうち2本が摂津に命中し、艦底で爆発した

「な…なんだと。摂津が、戦艦が沈むだと」

艦底で魚雷が爆発した摂津は竜骨は折れなかったが大きな穴が開き大きく傾き始めた。摂津が持ち直すことが不可能だと傍目にも明らかだった。

この御披露目式を契機に海軍上層部はそれまでの計画を見直し航空機の開発促進と空母の追加建造、艦艇の対空能力の強化が重点におかれるようになった。また、この計画見直しにより山本五十六は航空主兵論の重鎮として要職に就くことになり、彼は早乙女大五郎と約束した秘密空母の建造を含めた大規模整備計画を立案し、実行に移した。

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