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sleep or works  作者: 焔夢
パーティみたいな連中。
12/13

雨が降りだした。

私はクラスメートと一緒にりょう先生の誕生日会の飾り付けを手伝っている。

「葵ーここ持ってー」

カラフルな折り紙の飾りを渡されて困惑する。私は学級一背が低いのだ。

「これって嫌みなの?唯?」

唯と呼ばれた女子生徒は飾り付けながら、振り向く。

「違うよー葵。貴女に頼み事がある、花束に添えるバースデーカード作って欲しいんだ」

「もう仕方が無いなぁ」

私は考える。りょう先生はドライブが好きだから、ドライブミュージックのカセットテープを作ろうと思っている。

教室にあったラジカセを私は手に取ると、唯に質問する。

「これ、使って良い?」

「それ、頭出しも出来る貴重なラジカセだよ」

私は早速、家で録音してきたカセットを入れる。


簡単な日々をやるせなく過ごし

テレビに映った自分の顔をジッと見つめて青白黒の国旗なんて存在しないけど…


ここで一度、音が途切れる…私はスピーカーに耳を近付ける…


私達の工場では毎日

パステルアートのユニオンジャック

日暮れを待つ間、私の地下室では

ラジオのDJが踊る…踊る…


私はこの一節が好きだ…


蜘蛛はヘソを曲げて…

国旗の中に潜り込み…

スヤスヤと眠っている…


曲は個々で途切れる。

カセットテープに昔、焼いた曲が小さく流れる。

私は少し寂しい心地になり、停止ボタンを押す。歌詞カードを見てみる。手書きの丸文字が並んでいる。日付は2年前の春。

私は教室を出ると、少し足早になりながら花屋を目指す。

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