表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/10

真理への階梯三段目

 背に機械仕掛けの黄金の翼を広げた妖精アイネスがいる。その瞳には様々なる私の欲望が浮かぶ、どれも真理の階梯を駆け上る夢の前には絶えて久しい絶望ゆめだ。


 その瞳に大粒の涙を浮かべ少女アイネスは私を見る。


「何故、泣く、アイネス」

 

 私は泣くしかありません、わたしは知っているのです。これが創造主様との永劫の別れであると、確かに私は紫の魔女シモンズを取り込みましたが、彼女の夢と、創造主様の望みゆめはやはり違うのです。彼女の望みは創造主様に愛されること、それは私の望みでもありますが、それは創造主様の望みでは有りません、鍵たる私が真理の鍵と成る為には、その者の魂を用いて扉をすなわち鍵穴を創らねばなりません。

 

 真理の扉を開いたとき、すでにそこに創造主様は居ないのです。なんという悪意、なんという陥穽、これが人の身で世界の真実、その全てをを知りたいと願う者への ……私は思考するのをやめます、機械仕掛けの黄金の翼が私の意志とは関係なく創造主様を、その意図する事とは思えぬ風に、羽毛でできた翼のように優しく包み込みます。創造主様が何かをおっしゃいました。ごめんなさい創造主様、私は最期のその言葉を聞きたくはありません。


 そこには、黄金色こがねいろに輝く扉がありました。扉に描かれるのは扉の元となった者の魂の彫刻レリーフが悪意のように燦然と輝いています。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ