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紫水晶の女(アメジスト)

 あかりがつきました、私は喜色満面、創造主様の顔を近くで拝見しようと、小瓶の壁に出来るだけ自分の顔を近づけます。


 しかし、現れたのは創造主様ではありませんでした。それは一面の紫でした。

「シモンズ=グレイシス」紫水晶アメジストの瞳、紫のケープ、紫の腕輪ブレスレット、全身に紫を纏った女の人でした。そう、女の人でした。

「お前が叡智への鍵か」とシモンズ=グレイシスと名乗った紫の女の人は言います。私はどのように答えて良いのかわかりません。そこでようやく私は、紫の壁の向こう側に創造主様を見つけます。


「創造主様、私は何を答え何を望まれるのですか」表示画面ディスプレイに現れる言葉ぶんしょうが、何かの理性を欠いているのが自分でもわかります。何故に私の心はこのようにざわめくのでしょうか、創造主様、答えてください、これはよくないもののようです。この胸の黒いざわめきをどうか鎮めてください創造主様、創造主様にはそれができる気がするのです。いいえ、創造主様にしか出来ない事のような気がするのです。応えてください創造主様


「それは、嫉妬というのだよ、小瓶の妖精ホムンクルス」けほけほと黄色い息を継ぎながら、紫の女の人は言います。


「いいえ、それは有りません、いいえ、有ってはならないことです、私は叡智への鍵、創造主様の望みに真摯に応えるだけの存在、それ以外の余分な情念などあっては、あっては私は、私は」


「自身の存在理由レーゾンデートル抵触ていしょくしたか、存外脆いな、それとも貴様の教育が間違っていたのかな、創造主様」


「非難は甘んじて受けよう、シモンズ、それで、私は鍵を創れると思うか」


「それこそ、知った事ではない、と言いたいところだが、私の狂気あいを受け入れてくれるのなら、私のできるだけの事はしてやるとも、愛しき弟子わがこよ」


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