表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

異能力と意外と変わらない日々

「貴様、遂に力を目覚めさせたのか!」

光が収まり、現れる砕牙に叫ぶザルバ

「まあ、そんな所かな」

光が収まったと同時に、呪文を唱え終えたアリサは

その場で力を急に失ったかのように座り込む

「どうした?」

「契約の呪文には相当な体力と魔力がいるの。悪いけど、後は任してもいいかしら?」

「おう、てめぇはそこで座ってろ。あいつは俺が殺す」

砕牙の台詞に血が頭に登ったザルバは

再び光弾を造り連射し始める

「貴様が?俺を?殺すだとぅ!!!」

「あぁ・・・そうだ」

だが、全ての攻撃を避けもせず

一歩、また一歩とその距離を縮めていく

「ふざけるなぁ!たかが人間が、この悪魔神官に敵うと思っているのか!」

「バリバリ思ってるよ、ってか、お前だってただのはぐれじゃん?いつまでも過去の栄光引きずってんなよカッコわりぃ」

「くそがぁ!」

連射を止め、光の剣を両手に形成すると

ザルバは、一気に砕牙の懐に飛び込もうとする

だが、砕牙はそれを狙っていた

自分の距離である・・・近距離戦を

「確か、契約すると俺の力が目覚めるっつったよな」

「・・・しまった!」

「見せてやるよ、俺の・・・力って奴を!」

突如、砕牙の背後から現れた黒い人型の影

それを見て、ザルバは接近をやめるが

既に射程圏内であり、最早何もかもが遅かった

「愚かなる影・・・シャドウ・フール!!!」

『ダラララララララララララララァァァ!!!』

背後から現れた人型の影・・・シャドウ・フール

握られた拳は、目の前の敵へと

何度も何度も何度も

相手が地に伏し倒れるまで、降り注がれる

「ぐはぁぁぁ!!!」

「俺からも一発プレゼントだ。もってけ糞悪魔!!!」

バキィッッッ!!!

砕牙自身の渾身の拳が、豪快にザルバの顔面を殴り抜け

近くに生えてある木に吹き飛ばされるも

更に木をへし折り奥へと吹き飛んだ

「か・・・は」

「っけ、思ったより脆いんだよ。乳牛と相談しとけバカヤロー」


「助けてくれてありがとう」

「別に、助けてねぇよ。あ~あ、請求しようにもあいつがあんなんじゃあな」

「死んでるの?」

「あぁ、息してないし、文字通り撲殺だ」

「・・・これから私はザルバを悪魔界に連行するわ。いつ戻るか分からないけど」

「そうか、まあ行って来い」

「砕牙!」

背を向けて立ち去ろうとした砕牙にアリサは叫ぶ

「きっと・・・あんたは強くなる。そして、私を悪魔界の女王に導いてくれる。そう、信じてるから!」

「・・・っけ、とっとと行けよチビ姫、仕事あんだろ?」

アリサは砕牙の言葉を聞くと、ザルバを連れて

空中に創ったワープゲートでその場から消えた


はぐれ悪魔の騒動から次の日

仕事終わりに家に帰ると、いつも騒ぐアリサがいなかった

「・・・いないか、ったく人を化け物にしといて勝手に行くか普通」

家中探してもいない為、戻ってきていないと思った

「まあいいか、これでようやく、いつも通りのフリーター生活だ」

砕牙はいつも通り、自室に向かい夕飯を食べようとしていた

ドアを開けた瞬間、最早見慣れた顔がそこに居た

「・・・よう、もうコンビニ弁当は飽きたんだ。下僕でもなんでもいいから俺に美味い物食わせてくれよ」

その言葉に、自分のベッドの上で踏ん反り返る

小柄で幼い顔をした可愛らしい悪魔は、小さく笑った


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ