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不幸の幸福  作者: PC
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曇天の中で

 今にも雨が降りそうな鈍色の空の中、一人の少女が一人の少年をじっと見つめている。


 その瞳は吸い込まれそうなほど綺麗で、濡れたような黒色をしていた。


 少女は時に頬を染めたり、

 時に頭を抱えたり、

 時に決心したような顔つきになったり、

 と、忙しく表情をころころと変えている。


 そのころ少年はというとコンビニの商品に割引値札を見つけると顔を綻ばせその商品を手に取っていた。


 少年がコンビニからでてくると少女は焦った様子で姿を消し、

 少年は少女の存在に全く気付かずに依然笑顔のまま買った商品の入った袋をぶら下げ目的地へと足を進めるのだった。


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