騒幽霊
「大抵の奴らは、自分の名前がわからない。だから、あだ名で呼んでんだ。」
俺は、大広間で住人達の自己紹介を受けることになった。
さすがに人数が多いので、有名人物だけ紹介するようだ。
「あー、そうそう。ここの住人って、結構入れ替わり激しいんだよ。
ここの墓は『仮住まい』だから、成仏したらそこからいなくなる。覚えといて。
さて、自己紹介一番目、行きます! 俺は『リーダー』! 改めて、よろしく!」
やたら構ってくると思ったらまとめ役だった。
・・・あれ、ここって入れ替わりが激しいはずなのに、
何でこいつはずっと、成仏することもなく、残ってるんだ?
「俺の宝物はこれ! 写真! もちろんただの写真じゃないぜ?
なんせ、俺が初めて霊として写った心霊写真だからな!」
「はぁ!?」
「やっぱ驚く!? 驚いちゃうよね!?」
何かむかつくなこいつ・・・!
「んで、この人が黄薔薇。
綺麗な人だけど、怒らすと怖いからな!」
「私、そんなに怖いかしら?」
「・・・自覚ないの?」
・・・怒らせないように気をつけよう。
「おーい、リーダー! 近くの森で肝試しやってる!」
「マジか! よっしゃ、脅かしに行こう! 新入りも来いよ!」
・・・幽霊人生、なんだか楽しくなりそうだ!