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シルフェリア日誌  作者: 江戸雪兎
Trouble Day's1~怖い!可愛い!?魔獣騒動!~
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遅くなりましたが何とか投稿しました!次はも少し早く頑張ります

ドリアド森林は町の近くにあるのだが実は結構広く薄暗い、普段は町の住人が薬草取りなどに来るぐらいで大部分は手付かずのままだ

だから、一歩森の深くへ踏み込むと・・・


「ドワァ〜〜〜ッ!」


こうなるのだ、俺の足元には木の根に躓き盛大にヘッドスライディングをしたアルベロが転がっている


「大丈夫か、アル?」


「・・・今、俺はとても後悔してる・・・」


取り敢えず声をかけると突っ伏したまま返事が帰ってきた


「アル〜・・・ハル〜・・・」


少し離れた場所からリットの呼び声が聞こえた


「おーい!こっちだ〜!」


俺とアルベロは丘の上にいるリットに手を振った

少しすると、リットが藪を掻き分けてやって来た


「アル、盛大に転けてたな〜」


笑いを堪えながらリットが冷やかすが、アルベロは遠い目をして受け流している


「リット、アルを弄るのは後で楽しむとして何かあったか?」


リットは首をすくめて見せながら答える


「それが何にも」


「やっぱり、何も居ねぇんじゃないか?」


アルベロも話に加わる

もう森の巡回を始めて3日目である

前回、自警団員達が咆哮を聞いた辺りを中心にキャンプを張り、3・4人に別れて大分森の奥まで進んだのだが、聞こえるのは虫やカエルの声ぐらいで魔獣どころか魔物の声も聞こえない


「別の場所に移ったんじゃね?」


「丘に向かう街道の方に移動していなければいいけど」


森を迂回するよいにパン丘陵に向かう街道があり、もしそちらに移動されていると灰色狼だろうが魔獣だろうが住民に危害が加えられる恐れがある


「一度、キャンプに戻って団長に相談してみるか・・・ハル、アル一度戻ろう!」


リットの判断に従い俺達3人はキャンプに戻る事にした、まぁアルベロは


「俺は転け損じゃねーか!」


と憤慨していたがそれは割とどうでもいいので聞き流す事にした


キャンプに戻るとほとんどの人が戻っていた、どこも俺達と同じで何の収穫も無かったようだった


「ハル・・・リットの言うとおり、これはもしかすると拙いかもしれねーぞ」


アルベロがいつに無く真剣な面持ちで、俺のわき腹を肘で小突いてきた


「俺も同じことを考えてた、もし丘の方に向かってると拙いな・・・特に今日は拙い」


俺の最後の呟きを聞きとがめたリットが顔を寄せてきた


「今日はって・・・パン丘陵で何かあるのか?」


「リシェさんと学園の子達がいる!」


「「なっ!!!」」


リットとアルベロの発した驚きの声に周囲が振り返った


さて、少し時間を遡りアルベロが盛大にスッ転んでいた時である

リシェさんを含む町の有志数人とリーヴァイア湖畔学園の生徒・教師、約70名はパン丘陵で課外授業を行っていた

生徒達は思い思いの場所で基礎魔法を練習している


「いい風ですね、メルティナ先生」


「そうですねぇ・・・って、リシェさんに先生って呼ばれると何か恥ずかしいです・・・」


リシェさんに声をかけられた若い女性教師が赤くなった頬に手を当てて笑って見せた、彼女メルティナ・バークは2年前学園を卒業し去年の中頃、留学を終えて教師としてこの町に戻ってきた

学生時代にリシェさんに家庭教師をしてもらっていたので彼女に『先生』と呼ばれるとまだ恥ずかしさがある


「ふふっ、教え子を先生って呼べるのは嬉しいわね〜」


リシェさんはそう言って何時もの優しい微笑みを浮かべている


「も〜リシェさん!」


メルティナは怒って見せるが照れ隠しなのがみえみえだった


リシェさんとメルティナが雑談をしている頃、丘陵と森の境へと向かう生徒達がいた


「ね〜戻ろ〜よぉ」


眼鏡をかけた一見少女にしか見えない少年ロレンツォ・ダートが傍らの少年の制服の袖を引っ張っている


「そうよピーター、先生達から離れすぎよ」


反対の袖を赤毛をショートカットにした少女フィーナ・アンティがロレンツォと同じように引っ張っている

引っ張られている少年はその頭にある特徴的な犬か狼のような耳をピクピク動かしながら逆に二人を引きずり歩いていた


「二人は弱虫だなぁ、オレの野生の勘がこっちに何かあるって言ってんだよ」

彼・・・ピーター・ヴォルフレイはそう言ってなおも引き留めようとする二人を引きずっていく


「「はぁ〜」」


引きずられている二人から盛大なため息が聞こえた、二人は顔を見合わせると一つ頷き合い同時に手を放した


「フギャッ!」


結構な力で二人を引きずっていたピーターは当然の事ながら思いっきり前につんのめった


「イッテーなぁ!二人とも何すんだよ!」


ピーターは地面から跳ね起きると抗議の声をあげる


「何すんだよ、じゃないよピーターの“野生の勘”は何時だって危険にましっしぐらじゃないか!」


「そうよ!今までだってピーターの“野生の勘”のせいで何度もひどい目にあったじゃない!」


ピーターの抗議を封殺して掴みかからんばかりの剣幕で二人が詰め寄った


「あ・・・えぇっと・・・」


あまりの勢いと剣幕に流石のピーターもさっきまでピンッと立っていた耳をシュンとさせてしまった


「そもそも、獣人族の“野生の勘”は元々は森に住んでたときの危機回避能力から発展したものなんだから・・・」


「そうよ!楽しそうな事より危ないに決まってるわよ!」


「あぁ〜・・・うぅ〜・・・」


フィーナとロレンツォに矢継ぎ早にお小言を授かりピーターは情けない悲鳴をあげていた


二人に怒られ意気消沈していたピーターは真後ろの茂みから何かが飛び出してくるのに気がつかなかった・・・もちろんそんな彼に日頃の行いを怒るフィーナとロレンツォの二人も気がつかなかった

結果その飛び出して来た何かは茂みに背を向け座り込んでいたピーターの後頭部を直撃した

魔法とは


その昔は攻性魔法と呼ばれるものがあったが過去の大戦でその技術が失われている

現存するのは結界魔法や生活魔法のみである

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