〜ようこそ、シルフェリアへ!〜
ほのぼの日常ストーリーを書いてみたくなりました、読みにくいとか誤字脱字があったら教えて下さい
俺がこの町の前で行き倒れていたのが一年前、町で雑貨屋兼便利屋のカプリコーンを営むリシェさんに拾われた、住み込みで店を手伝うようになったのはもう半年も前のことだ
「ハルキくんありがとう、もうあがっていいわよ」
「はーい、取り敢えずこいつを倉庫に入れたら上がります!」
そう言って俺は今日届いた花瓶を木箱に入れて持ち上げた・・・結構重い
「ふぅ、終わったぁ〜」
一息ついて、店内に戻ると、戸締まりをしていたリシェさんが少し聞きづらそうに声をかけてきた
「昨日も自警団に行ったの?」
「・・・はい、でもダメでした」
俺はリシェさんに助けられた後意識が戻ったとき覚えていたのは名前と年齢だけだった
そこで俺はこの一年、この町以外からの情報も集まる自警団事務所に足蹴く通い、家出人から逃亡者まで情報を集め俺自身の痕跡を探していた
「そう・・・もうハルキくんが来てから一年になるし、私はいいと思うの・・・町の人達も認めてくれているし」
心の底から心配してくれているのが、この一年世話をしてくれたリシェさんの性格から解るだけに俺は言葉を濁した
「えぇまぁ、わかってはいるんですけど、どうも・・・」
「決心がつかない?この町住人になるのに」
俺は今この町の住人ではない、行き倒れていたという経緯から滞在者扱いなのだ
「それとも何も覚えていないことを気にしてるのかしら?」
「そうですね・・・名前くらいしか覚えていない俺みたいなのが町に住み着いて良いのか、もしかしたら逃亡中の犯罪者かも・・・」
それがこの町の住人になるのを躊躇してしまう理由だ
もし俺が犯罪者かなにかなら、
身元引き受け人になってくれているリシェさんやこんな怪しい俺に良くしてくれている町の人達にも迷惑が・・・
そこまで考えた辺りでリシェさんに肩を優しく叩かれた
「大丈夫、ハルキくんは犯罪者何かじゃ絶対に無いわ、たった半年お店を手伝ってくれているだけで町の人達も認めてくれているのがなによりの証だわ・・・ね?」
優しい微笑みを湛えたリシェさんに言われ少し心が軽くなった気がした
「明日まで考えさせてください」
俺はそう言って物置兼住み込み部屋の二階へ上がることにした
翌日、俺はリシェさんや町の人達の後押しもあり晴れてこの町シルフェリアの住人になったのだった
「ハルキくん、改めてよろしくね・・・ようこそ、シルフェリアへ!」
リシェさんはいつもと変わらぬ優しい笑顔で向かえてくれた
シルフェリア観光案内
シルフェリアとは?
北にはノーム山とそれに連なるパン丘陵そしてドリアド森林が西から南にかけてはこの大陸最大の湖リーヴァイア湖が広がっており山と湖の温度差から常に優しい風が吹くこの町は“風精霊の里”と呼ばれる田舎町です、中央には町役場兼自警団事務所の大風車があり町のシンボルとなっています。
また町の北西にある闘技場は町にやって来た冒険者や自警団員達の腕試しの場として大いに賑わっています