繋ぐもの
「おかえり、千冬」
この幸せが永遠に続く。
そう思っていた16歳の冬。
「ただいま、悠斗」
走って息を切らす彼女をこれからもずっと守っていける。
そう思っていた19歳の冬。
私たちの運命が壊れた、初雪の日…
「千冬の手ってあったかいな…」
無口な彼氏、柊悠斗と手を繋いで歩くこの時間が大好きだった。
悠斗の冷たい手に触れていると、心地良くてホッとする。
「体温高いからね。
寒かったらいつでも暖めてあげる」
ぎゅっと握った手から悠斗の優しさが感じられる。
手を繋いで悠斗の家に帰って、悠斗と唇を重ねる。
冷え切った身体が火照る。
「はる、と……」
熱のこもった瞳を向ける千冬に何度もキスを落とす。
千冬がいること確かめたくて、何度も何度も。
苦しそうの俺の胸を叩く手を取って、唇を離してやる。
「千冬、好きだよ。」
首筋におりてきた悠斗のキス。
無意識のうちに声が漏れる。
「可愛い…」
そう呟いて俺は千冬の体を抱き上げる。
細くて小さな体を、落とさないようにしっかりと抱いてベッドに連れて行く。
恥ずかしそうに頬を染める千冬をベッドに優しくおろし、その上に跨がる。
「悠斗…」
顔に熱が集まるのがわかる。
何度身体を重ねても、悠斗とこうしているのが恥ずかしくて仕方がない。
それでも悠斗をもっと感じたくて求めてしまう。
もっと…もっと悠斗の近くにいたい…
「千冬…力抜いて…」
胸元に印を付けながら千冬を俺だけのものにしていく。
何度も何度も、名前を呼びながら出来るだけ優しく、出来るだけ近くに千冬を感じる。
切なげな声で鳴く千冬が愛おしくて仕方がない。
行為のあと、俺の腕枕で静かに寝息を立てる千冬の額にキスを落として俺も目を閉じる。
腕に感じる確かな温もりを感じながら…