日常
久しぶりの更新。
パソコンにウィルス入ってインターネット通じませんでした(笑
まだ対応してないけど、インターネット繋がったので更新します。
携帯からは入れないです。
フィルタリングがかかっていて、どうにもなりません。
誰か助けて欲しいです(泣
時刻は昼。
千春は購買でパンを買ってから屋上に行き、光太郎といつものように食べていた。
昼飯はいつもパンである。
両親が今いないから、という理由ではない。
ただ、作ったものを持って食べるより、買って食べる方が千春は好きなのだ。
両親は知らない千春の好みであった。
「それにしても、よくそんな食べれるよな」
光太郎の言葉に反応してパンの量を見てみる。
そこにはカレーパンの山があった。
千春がカレーパンにこだわるのには、ちょっとしたドラマがある。
ここで語るにしても長いので控えさせてもらう。
「女になっても食欲は変わらず、か。太りそうだな」
千春は呑気にそう言ってるが、実際の問題はかなり深刻だ。
先ほど日向を吹き飛ばしたあの力の正体だ。
これについては、早めに調べた方がいいと判断した。
千春に備わったこの力は、何のために存在するのか。
もしかしたら、まだ違う力があるかもしれないと思い、いろいろ工夫はしたが何も起こらず。
人外な力であるとわかったときは、少し絶望した千春である。
「千春、どうしたの?」
光太郎が千春の横顔を見ながら口を開く。
「・・・いや、別に何でもない」
「顔が大丈夫じゃないよ」
「それ、結構ヒドい言葉だぞ」
いつもと少し違うやりとりが昼休み中に起きていた。
‡
気付いてみれば既に放課後だった。
今日1日を乗り切った千春はひとまず安心した。
いつもと違う日常、違うやりとり、千春にとってそれは別世界だ。
こんな生活がいつまで続くのか、不安な面もある。
男のときではありえない喜びさが千春の中にある。
それによって、もしかしたらこのままでも良いのではないかと思ってしまう。
そう思った後には必ず後悔があるからだ。
そんなことを思うのが続き、自分が嫌になってしまいそうだった。
そして今現在、廊下を光太郎と一緒に歩いていた。
お互い無言である。
気まずい状況に千春が耐えられなくなり、つい光太郎の肩を叩く。
「痛っ。な、何だ?」
「固くなるなよ。いつも通りに接してほしいんだ」
そう言うと、光太郎が唸る。
「・・・つまり、いつものように連んでいいんか?」
「ああ。じゃなきゃ、何か立場がわからなくなるからな」
「え、えっと、つまり出来心無く胸とか触っていいのか?」
「・・・・・・」
千春は胸元を隠しながら光太郎から一歩引く。
そのときの光太郎の目には好奇心が沸いていたからだ。
その目は微かに胸を見ている。
下心ありまくりな光太郎だった。
身の危険を察した千春はそそくさと足を速める。
「ご、誤解だ!お前の胸が大きいのが悪いんだ!」
「胸の所為にするなよ。いいからお前は部活行け」
千春は手で光太郎を追い払う動作をする。
残念そうな顔をする光太郎であったが、部活も行かなきゃならないだろう。
ちなみに光太郎が所属している部活はバスケ部である。
全国大会に出るほどの強さで、光太郎はそのエースだ。
美少年ながらも運動神経抜群である。
千春は光太郎のように部活には入っていない。
帰宅部である。
「さて、帰るか」
千春は玄関に向けて歩き出す。
が、ふと頭の中に興味心が生まれる。
玄関に向かう足を止めて、くるりと回れ右をする。
ただの遊び心なのだが、自分のこの力について調べることにしたのだ。
現在は放課後。人もあまり校内にはいないだろう。
そう思いながら千春は屋上へと向かった。
‡
普段立ち入り禁止の屋上なのではあるが、なぜ鍵を閉めないのだろう。
千春は些細な疑問を感じながら、屋上の柵に腕を乗せる。
少し冷たい風が髪を揺らす。
風が止まり、髪が肩にかかる。
その事実だけで、本当に女なんだな、と感じさせた。
一息吐いてから空を見る。
雨が降りそうな、曇った空色をしている。
(・・・こういう天気は嫌いじゃないな)
千春は顔を上にあげ、目をつむりながら感じる。
と、そのとき、屋上の扉が開く音がした。
教師か、と思い後ろを向いたが違った。
黒髪長髪で、まるでお姉さんみたいな雰囲気。
千春は見たことある奴だなと思い、その彼女をジッと見つめた。
その女はずんずんと足音をたてながら近付いてくる。
「ん?何か用か?」
千春は少々睨みながら言う。
「そこのアナタ、ここは立ち入り禁止のはずよ。なぜここに居るの?どうやって入ってきたの?」
「そう言うお姉さんは誰ですか?」
その千春の言葉に頬をひきつらせる。
「わ、私を知らないの?」
「見たことはある。けど名前知らない」
千春は即答しながら、目の前に立つ女を凝視する。
その千春の目つきが気に入らなかったのか、女は似つかわしくない千春の姿を見る。
女子なのに男子用の制服を着る生徒などこの学校にいない、と。
と、その瞬間には悟った。
「あ!アナタが噂の秋宮千春君か!」
「はぁ・・・。って、名前教えてよ。どちら様?」
千春の疑問は増していくばかりである。
目の前にいる女を見たことはあるが、名前は知らない。
どこで見たのかも曖昧なので、もしかしたら知らない人なのかも。
けど、こんな凛々しい顔立ちなので、忘れることはないと思われる。
千春は記憶の隅から引っ張り出そうとしたが、なかなか出てこない。
つい頭を横に傾けてしまい、ボケーッとしてしまう。
「・・・本気でわからないようね。いいわ。私は東方玲子よ。生徒会長をしているわ」
そう言い、東方は頭を45度下げる。
そういやこんな人いたな、と千春は思い出し納得する。
確か三年の中でトップの成績で、運動も出来る優等生だ。
完璧な人と言ってもいい。
そんな東方を千春は見て、思わず見入ってしまう。
「で?こんなとこで何してるの?」
「す、少し外の空気を吸おうかと・・・・」
「なら、校庭に出ればいいじゃない」
確かにごもっともだが、千春にはやるべきことがある。
引き下がる訳にはいかないので、千春はそのまま走り去る。
と言っても、別に中に戻る訳じゃなく、別の場所に移ろうとしただけだ。
この高校は校舎の隣にすぐ体育館が設置されている。
屋上から体育館の天井に軽々と行けるのだ。
体育館の天井は平らになっていて、普通に歩けそうな場所だ。
それに気付いた千春は体育館の天井に移ろうとしたのだ。
「なっ!?待ちなさい!」
「待たねーよ!」
屋上の柵はだいたい胸の高さまである。
普通なら飛び越えられないが、千春は別だ。
柵の前まで来ると、そのまま身体を上に浮かすイメージをして飛ぶ。
ふわっと飛び上がり、そのまま体育館の天井へと移る。
他から見れば、ただ単にジャンプして移ったように見える。
「な、何てジャンプ力なの・・!?」
「こう見えて、そういうのには自信があるから」
千春はそう言うと向こうの方へ逃げていった。
一人屋上に残った東方は、もう見えない東方の方を見ながら溜め息を吐いた。
制服のポケットから着信音がなり、東方は携帯を取り出す。
何やら不穏な空気が漂っていた。
「すみません。逃げられました。・・・はい・・・・・わかりました。監視を続けます」
携帯を切り、そのまま背を向けて去っていく。
何やら制服のもう片方のポケットから動くものがあった。




