表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/7

日常

久しぶりの更新。


パソコンにウィルス入ってインターネット通じませんでした(笑

まだ対応してないけど、インターネット繋がったので更新します。


携帯からは入れないです。

フィルタリングがかかっていて、どうにもなりません。


誰か助けて欲しいです(泣

時刻は昼。

千春は購買でパンを買ってから屋上に行き、光太郎といつものように食べていた。

昼飯はいつもパンである。

両親が今いないから、という理由ではない。

ただ、作ったものを持って食べるより、買って食べる方が千春は好きなのだ。

両親は知らない千春の好みであった。


「それにしても、よくそんな食べれるよな」


光太郎の言葉に反応してパンの量を見てみる。

そこにはカレーパンの山があった。

千春がカレーパンにこだわるのには、ちょっとしたドラマがある。

ここで語るにしても長いので控えさせてもらう。


「女になっても食欲は変わらず、か。太りそうだな」


千春は呑気にそう言ってるが、実際の問題はかなり深刻だ。

先ほど日向を吹き飛ばしたあの力の正体だ。

これについては、早めに調べた方がいいと判断した。

千春に備わったこの力は、何のために存在するのか。

もしかしたら、まだ違う力があるかもしれないと思い、いろいろ工夫はしたが何も起こらず。

人外な力であるとわかったときは、少し絶望した千春である。


「千春、どうしたの?」


光太郎が千春の横顔を見ながら口を開く。


「・・・いや、別に何でもない」

「顔が大丈夫じゃないよ」

「それ、結構ヒドい言葉だぞ」


いつもと少し違うやりとりが昼休み中に起きていた。





気付いてみれば既に放課後だった。

今日1日を乗り切った千春はひとまず安心した。

いつもと違う日常、違うやりとり、千春にとってそれは別世界だ。

こんな生活がいつまで続くのか、不安な面もある。

男のときではありえない喜びさが千春の中にある。

それによって、もしかしたらこのままでも良いのではないかと思ってしまう。

そう思った後には必ず後悔があるからだ。

そんなことを思うのが続き、自分が嫌になってしまいそうだった。

そして今現在、廊下を光太郎と一緒に歩いていた。

お互い無言である。

気まずい状況に千春が耐えられなくなり、つい光太郎の肩を叩く。


「痛っ。な、何だ?」

「固くなるなよ。いつも通りに接してほしいんだ」


そう言うと、光太郎が唸る。


「・・・つまり、いつものように連んでいいんか?」

「ああ。じゃなきゃ、何か立場がわからなくなるからな」

「え、えっと、つまり出来心無く胸とか触っていいのか?」

「・・・・・・」


千春は胸元を隠しながら光太郎から一歩引く。

そのときの光太郎の目には好奇心が沸いていたからだ。

その目は微かに胸を見ている。

下心ありまくりな光太郎だった。

身の危険を察した千春はそそくさと足を速める。


「ご、誤解だ!お前の胸が大きいのが悪いんだ!」

「胸の所為にするなよ。いいからお前は部活行け」


千春は手で光太郎を追い払う動作をする。

残念そうな顔をする光太郎であったが、部活も行かなきゃならないだろう。

ちなみに光太郎が所属している部活はバスケ部である。

全国大会に出るほどの強さで、光太郎はそのエースだ。

美少年ながらも運動神経抜群である。

千春は光太郎のように部活には入っていない。

帰宅部である。


「さて、帰るか」


千春は玄関に向けて歩き出す。

が、ふと頭の中に興味心が生まれる。

玄関に向かう足を止めて、くるりと回れ右をする。

ただの遊び心なのだが、自分のこの力について調べることにしたのだ。

現在は放課後。人もあまり校内にはいないだろう。

そう思いながら千春は屋上へと向かった。





普段立ち入り禁止の屋上なのではあるが、なぜ鍵を閉めないのだろう。

千春は些細な疑問を感じながら、屋上の柵に腕を乗せる。

少し冷たい風が髪を揺らす。

風が止まり、髪が肩にかかる。

その事実だけで、本当に女なんだな、と感じさせた。

一息吐いてから空を見る。

雨が降りそうな、曇った空色をしている。


(・・・こういう天気は嫌いじゃないな)


千春は顔を上にあげ、目をつむりながら感じる。

と、そのとき、屋上の扉が開く音がした。

教師か、と思い後ろを向いたが違った。

黒髪長髪で、まるでお姉さんみたいな雰囲気。

千春は見たことある奴だなと思い、その彼女をジッと見つめた。

その女はずんずんと足音をたてながら近付いてくる。


「ん?何か用か?」


千春は少々睨みながら言う。


「そこのアナタ、ここは立ち入り禁止のはずよ。なぜここに居るの?どうやって入ってきたの?」

「そう言うお姉さんは誰ですか?」


その千春の言葉に頬をひきつらせる。


「わ、私を知らないの?」

「見たことはある。けど名前知らない」


千春は即答しながら、目の前に立つ女を凝視する。

その千春の目つきが気に入らなかったのか、女は似つかわしくない千春の姿を見る。

女子なのに男子用の制服を着る生徒などこの学校にいない、と。

と、その瞬間には悟った。


「あ!アナタが噂の秋宮千春君か!」

「はぁ・・・。って、名前教えてよ。どちら様?」


千春の疑問は増していくばかりである。

目の前にいる女を見たことはあるが、名前は知らない。

どこで見たのかも曖昧なので、もしかしたら知らない人なのかも。

けど、こんな凛々しい顔立ちなので、忘れることはないと思われる。

千春は記憶の隅から引っ張り出そうとしたが、なかなか出てこない。

つい頭を横に傾けてしまい、ボケーッとしてしまう。


「・・・本気でわからないようね。いいわ。私は東方玲子(ひがしかたれいこ)よ。生徒会長をしているわ」


そう言い、東方は頭を45度下げる。

そういやこんな人いたな、と千春は思い出し納得する。

確か三年の中でトップの成績で、運動も出来る優等生だ。

完璧な人と言ってもいい。

そんな東方を千春は見て、思わず見入ってしまう。


「で?こんなとこで何してるの?」

「す、少し外の空気を吸おうかと・・・・」

「なら、校庭に出ればいいじゃない」


確かにごもっともだが、千春にはやるべきことがある。

引き下がる訳にはいかないので、千春はそのまま走り去る。

と言っても、別に中に戻る訳じゃなく、別の場所に移ろうとしただけだ。

この高校は校舎の隣にすぐ体育館が設置されている。

屋上から体育館の天井に軽々と行けるのだ。

体育館の天井は平らになっていて、普通に歩けそうな場所だ。

それに気付いた千春は体育館の天井に移ろうとしたのだ。


「なっ!?待ちなさい!」

「待たねーよ!」


屋上の柵はだいたい胸の高さまである。

普通なら飛び越えられないが、千春は別だ。

柵の前まで来ると、そのまま身体を上に浮かすイメージをして飛ぶ。

ふわっと飛び上がり、そのまま体育館の天井へと移る。

他から見れば、ただ単にジャンプして移ったように見える。


「な、何てジャンプ力なの・・!?」

「こう見えて、そういうのには自信があるから」


千春はそう言うと向こうの方へ逃げていった。

一人屋上に残った東方は、もう見えない東方の方を見ながら溜め息を吐いた。

制服のポケットから着信音がなり、東方は携帯を取り出す。

何やら不穏な空気が漂っていた。


「すみません。逃げられました。・・・はい・・・・・わかりました。監視を続けます」


携帯を切り、そのまま背を向けて去っていく。

何やら制服のもう片方のポケットから動くものがあった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ