プロローグ
秋斗達は・・・今宵生まれ変わる!
一同「「「「「「さぁ、新たな物語の始まりだよ!!」」」」」」
???「ねぇ、秋斗君」
???「どうしたの?りっちゃん」
???「私ね、大っきくなったら秋斗君のお嫁さんになりたいの」
???「じゃあ、僕はそのお嫁さんを守る騎士様になろうかな」
???「えへへ、秋斗君、大好き♪」
???「僕もだよ。りっちゃん」
???「なんか懐かしい夢見ちゃったな・・・」
あれは小学3年の頃だっただろうか。よく有りがちな、とても恥ずかしい夢だろう。
しかし彼女・・・櫻井里依紗にとっては、なんの恥ずかしさもないただ純粋な思い出だった。
里依紗「おはよ♪アッキー」
そして隣で寝ていた彼女の恋人・・・夢の中で出てきた人物、工藤秋斗に話かけた。
二人は小学校卒業の時、正式に恋人どうしとなった。秋斗は里依紗の父親と(主にゲームの話題で)よく話し、仲がよく、既に婚約の約束も了承されている。勿論互いが二十歳になってからの話だが。
ただその代わりとしてはなんだが、高校では同居を許可されており、こうして二人は仲良く暮らしているのである。
秋斗「ん~・・・」
因みに秋斗はそれ程ではないが寝坊助である。なので少し起きるのに時間がかかる。
秋斗「ごめん・・・あと30分・・・」
前言撤回。秋斗はかなり寝坊助だった。
里依紗「もう・・・起きないとフライパンとお玉持ってくるよ?」
彼女が何をしようとしているかは分かる人は分かるだろう。
秋斗「やめて下さい死んでしまいます!」
まことに大袈裟である。
しかし、地獄耳の彼にとってはあながち嘘ではないのだが・・・
里依紗「もう、今日から新学期だよ。しっかりしてよ」
秋斗「ごめんなさい・・・」
里依紗「キスしてくれたら許してあげる♪」
秋斗「もう・・・」
・・・チュッ
秋斗「おはよう里依紗」
里依紗「おはようアッキー」
彼らの目覚めは大抵こんな感じである。
あの後、二人で朝ごはんを作り(余談だが二人とも腕は料理人並み)、秋斗は黒い学ラン、里依紗は紺色のセーラー服に着替えた。
秋斗「んじゃ、行こっか」
里依紗「うん♪」
二人は鞄を手に取り、そしてペンダントを首にかけた。
秋斗のペンダントは剣と盾、里依紗のペンダントは弓矢の形をしていた。
秋斗「この辺りの桜も大分咲いたね」
里依紗「うん。とっても綺麗だね♪」
通学路で、二人は例年より開花が遅れた桜を見ながら歩いていた。時間にまだ余裕はある。
・・・もっとも秋斗があの時起きていなかったらこんな余裕も出来ないのだが。
秋斗「ねぇ、里依紗、腕にだきつくのはいいけど胸当たってるよ・・・」
里依紗「当ててるの♪」
・・・今もなおイチャついていた。
余談だが里依紗はEカップぐらいある。
???「おう、おはようさんお二人方」
秋斗「あ、浩二おはよう」
里依紗「おはよう浩二君」
秋斗と同じ学ランを着て、片手に小説を持った男子が二人に声をかけた。
彼は山中浩二。二人の幼馴染。二人よりも賢く、頭も回ることから「知将」と呼ばれている。
浩二「朝からラブラブだな、お前ら」
秋斗・里依紗「「いつものことでしょ?」」
浩二「息もピッタリだな・・・」
浩二にとって二人のラブラブっぷりはもう慣れたものである。
因みに彼の首には長剣の形をしたペンダントがかけられていた。
???「おはよう、浩二、秋斗、里依紗」
秋斗「冬樹、おはよう」
浩二「おはようさん、冬樹」
里依紗「おはよう、冬樹」
暫く歩くと、また幼馴染に出会った。
彼は後藤冬樹。彼らの中のツッコミ役。秋斗とは長い付き合いで、相棒とも言える存在だ。
彼の首には二つの剣が交わった形のペンダントがかけられてあった。
???「また朝からイチャついてるのかい?お二人さん方」
そう話しかけてきたのは勝気な目にロングヘアの女子、大田彩女。彼女もまた、秋斗達の幼馴染だ。
そして彼女の首には拳の形をしたペンダントがかけられていた。
秋斗「そんなんじゃないよ、彩女」
里依紗「そうだよあやちゃん」
彩女「ならいつまで抱きつき合ってるんだい?」
秋斗・里依紗「「少なくとも学校着くまで」」
冬樹「二人共、言葉が矛盾しているぞ」
否定する二人に、すかさず冬樹がツッコミを入れる。
そんなこんなで笑いながら、5人は自分達の通う学校・・・「私立天宮高等学校」、通称
「天高」に向かった。
彼らの新たな物語、これより開幕。
トーヤ「・・・あれ?俺は?」
ちゃんとでますよ。後でね。
トーヤ「またなんか起こらないよな?出る前に」
大丈夫だって!!
・・・多分。