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異世界ギャブル勇者〜確率を超えて〰️  作者: 海木雷


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冒険者ギルド

翌朝。


坂田はまだ薄暗い街路を歩いていた。

昨日の路地裏での一件が尾を引き、背後に視線を感じるたびに手が腰のナイフへ伸びる。

だが今の彼には、逃げ隠れして過ごす選択肢はなかった。


目指すは――冒険者ギルド。


大通りに面した石造りの建物は、既に活気に満ちていた。

鎧に身を包んだ傭兵風の男たち、杖を抱えた魔術師風の女、獣人の狩人……。

皆が依頼を求め、あるいは仲間を探しに集っている。


坂田が扉を押すと、中の喧騒が一瞬だけ彼を飲み込んだ。

――見知らぬ顔。見知らぬ空気。

だが、不思議と足は止まらなかった。


受付嬢がにこやかに声を掛ける。

「ようこそ、冒険者ギルドへ。登録ですか?」


坂田は頷いた。

差し出された羊皮紙に名を記す。――坂田。

年齢、出身、得意分野。そこに「剣技」「魔法」と書くことはできない。

しばし迷った末、彼は空白の欄にこう書いた。


――〈運を操る〉


受付嬢は一瞬きょとんとしたが、すぐに柔らかく微笑んだ。

「……少し変わった記載ですが、問題ありません。登録完了です」


首から下げられる木札。これで彼も、正式に“冒険者”となった。


その瞬間、坂田は心の奥で感じた。

自分のリールが静かに回転を始めたような、そんな予感を。


これから先、危険も栄光もすべては“確率”次第。

だが彼は笑みを抑えきれなかった。

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