王都探索
――王都・昼下がり。
石畳に朝日が差し込み、街は活気に満ちていた。
商人たちの呼び声、荷車の軋む音、街角の噴水で遊ぶ子供たちの笑い声。
真時は深く息を吸い込み、背中の剣を軽く触れながら歩く。
「……やっぱり王都は大きいな」
道行く人々は多種多様で、服装や髪型も様々。
商人や冒険者、衛兵に混じって、街に馴染む異国の顔も見かける。
ふと、真時の視線が止まった。
広場のベンチのそばに、男女二人が立っている。
肌は青白く、髪は銀色に近い白。透き通るような色の瞳に、整った顔立ち――
思わず息を飲むほどの美貌だった。
「……あの人たち、何者だ?」
真時は近くの露店で果物を売る老人に声をかける。
「おや、あれかい? あの二人はイケイシア人だよ」
「イケイ……シア人?」
「そうそう。そんな珍しいもんじゃないよ。北の方の国から来た人種でな、肌は青白く、男女ともに整った顔立ちだって有名さ。王都には交易や研究で滞在する者もいる」
真時はもう一度二人を見つめる。
青白い肌に銀の髪、整った顔立ちはまるで絵画の中の人物のようで、魔族と言われればそう感じるほどだった。
そのイケイシア人の女性と目があった。
すると、真時が癖で軽く会釈をすると、
銀色の髪がかすかに揺れ、微笑みかけられた。
「……北の国の人か。なるほど、ここにもいろんな人がいるんだな」
真時の胸の奥で、知らない世界への好奇心が少し刺激される。
(俺も、この世界でいろんな人を見て、学んで、成長していくんだろうな……)
視線を戻し、真時は再び石畳を踏みしめながら鍛冶屋へ向かう。
修理を頼む装備を抱え、街の人々の間をすり抜けるたび、王都の多様性と賑わいを体感する。
――異国の人々、冒険者、商人……この街は、次の冒険の舞台として、真時に様々な可能性を示していた。




