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異世界ギャブル勇者〜確率を超えて〰️  作者: 海木雷


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追悼

――宿の広間。


「銀の牙」の三人は、暖炉のそばの席に座っていた。

卓上には酒瓶と杯、そしてメダルがひとつ。

彼らの表情には涙の跡はない。ただ、深く沈んだ影が刻まれていた。


真時たちが近づくと、黒髪の剣士カイルが顔を上げる。

「……無事に戻ったか」


レオンが頷く。

「ああ。お前たちも……伝言助かった」


カイルはかすかに笑い、杯を傾ける。


赤毛の槍使いドランもそれに続く。


真時が口を開く。

「ライムは、俺たちに生きろって言ってくれた気がする。だから、前に進む」


魔術師アイラが盃を持ち上げ、静かに笑った。

「なら、今夜は――生きて帰った者同士で飲みましょう。死者を悼む酒じゃない。明日を繋ぐ酒よ」


その言葉に、自然と盃が交わされた。

バルドが大声で笑い、ユリクが苦笑し、レオンは無言で杯を干す。

「銀の牙」と「中段チェリー」。二つのパーティは、同じ夜を過ごす仲間として杯を重ねた。


そして卓の中央には、力を失ったはずのライムのメダルが輝いていた。

彼の意思を繋ぐ証のように――。


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