激闘
坂田は赤いメダルを握り、意志を集中させた瞬間、赤黒い力が全身に炸裂した。烈火の紅駿と血影の黒駿は魔獣に襲いかかり、戦局は一気に傾いた。
しかし、スキルを使った代償は想像以上に大きかった。全身を焼くような痛みが坂田を襲い、吐血と震えが止まらない。視界は赤黒く歪み、鼓動は頭の中で響き渡る。
「……くっ……!」
坂田は必死に膝をついて立ち続けようとするが、身体は言うことを聞かず、激痛と出血の中で意識が薄れていく。
(……これで……終わる……のか……)
そのまま、坂田はゆっくりと膝をつき、力尽きるように地面に倒れ込み、気を失った。
仲間たちは戦場でその姿を見つけ、眉をひそめる。
「坂田……?何があった……?」
「……ちょっと待て、あの力は……まさか……?」
疑念と不安が入り混じる目で坂田を見つめるが、倒れた彼の身体は微動だにしない。仲間たちは互いに視線を交わし、迷いながらも坂田の肩や腰を支える。
「理由は後で聞く……今は生き延びることが先だ」
不自然さに戸惑いながらも、仲間たちは坂田を抱え、安全な場所へと慎重に運び始める。吐血で衣服は赤く染まり、全身の震えが痛々しい。
坂田は気を失ったまま、膝をつき倒れた状態で運ばれる。仲間たちの手に支えられ、戦場の喧騒から離れた瞬間、わずかに安堵の空気が流れる。
(……俺は……一人じゃ……守れない……でも……)
痛みに沈みながらも、坂田の胸の奥には、仲間と共に生き延びる小さな光が残っていた。




