表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界ギャブル勇者〜確率を超えて〰️  作者: 海木雷


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/179

新スキル発動

坂田は膝に手をつき、全身の痛みと吐血に耐えながら赤いメダルを握りしめた。膝はガクガクと震え、胸は焼けるように痛む。視界は赤黒く歪み、鼓動が頭の中で響く。


(……行くしかない……!ここで……すべて……賭ける……!)


坂田は手のひらの5枚の赤いメダルを見つめ、意志を集中させる。

1番――烈火の紅駿:3枚

3番――血影の黒駿:2枚


手のひらが熱く焼けるように疼き、吐血と全身の痛みが襲う。それでも坂田は目を閉じ、赤黒い力をメダルに注ぐ。


(……頼む……俺の勝負を……運命よ、味方してくれ……!)


赤黒く揺れる力が注がれると、五頭の馬たちは一斉に蹄を鳴らしてスタートラインを飛び出した。烈火の紅駿(1番)、雷牙の蒼駿(2番)、血影の黒駿(3番)、氷槍の白槍(4番)、轟土の金駿(5番)――全頭が全力で駆ける。


坂田は膝をつき、吐血と痛みに顔を歪めながら祈るように見守る。脚の震え、胸の焼ける痛み、喉の痛み……すべてが代償だ。

(……順位は……どうなる……!)


馬たちは互いに凌ぎを削る。烈火の紅駿(1番)が先頭に躍り出る。蒼駿(2番)が迫るがわずかに届かず、黒駿(3番)が影の如く追い上げる。白槍(4番)と金駿(5番)は全力で食い下がる。


ゴールラインを越え、順位が決まる:

1着――烈火の紅駿(1番)

2着――雷牙の蒼駿(2番)

3着――轟土の金駿(5番)

4着――血影の黒駿(3番)

5着――氷槍の白駿(4番)


そして、力を注がれた瞬間、賭けていない2番、4番、5番は光を失い、空気中で溶けるように消えた。1番と3番だけが赤黒い力を宿し、魔獣に襲いかかる。


烈火の紅駿は炎の衝撃で魔獣の前脚を焼き裂き、血影の黒駿は影の力で胴体を打ち据える。4着の黒駿も通常兵器を凌ぐ破壊力で、魔獣は呻き声を上げながらよろめき、膝をつく。


膝をつき、吐血と全身の痛みに顔を歪める坂田。胸の奥まで焼けるような痛み、脚の震え、視界の揺れ――すべてが代償。しかし、戦場で魔獣がほぼ動けなくなる姿を見て、わずかな誇りが芽生える。


(……これが……俺の……力……生命力……賭け……代償……すべて……守るための力……!)


赤いメダルを握り直し、全身の痛みに震えながらも坂田は立つ。戦場は荒れ果て、正規兵たちも無事だ。魔獣はほぼ倒れ、息も絶え絶え。膝をつきながらも、坂田は静かに胸を張った。


賭けたものだけが力を発揮する。痛みと代償を背負ってでも、俺は守った――俺の勝負で、仲間も街も、ここで守ったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ