ギャンカス異世界へ
世界は運命に満ちている。
だが、その運命は誰もが平等に振り分けられているわけではない。
坂田真時――25歳。
平凡な人生を歩んできた彼にとって、日々は“敗北の連続”だった。
小学校の運動会で常に最下位、試験ではあと一問足りず、就職活動でもことごとく不採用。
そんな彼が唯一、自分の手で“勝利を掴める”場所があった。
それが――パチンコとスロット、そして競馬だった。
釘やリール、馬の脚色や騎手の癖。
膨大なデータを分析し、立ち回りを考え、限りある資金で“期待値”を追う。
誰もが偶然と呼ぶ中で、真時だけは確率を読み、勝利を積み上げてきた。
だが、ある夜――いつものようにデータを見つめていたその瞬間、世界は彼を呼んだ。
「坂田真時……お前の魂は、確率を操る力に適している」
次に目を開けた時、そこは剣と魔法の世界。
そして、彼の手には《パチンコ》《パチスロ》《競馬》という、常人では理解できない固有スキルが宿っていた。
負け続けてきた人生。
しかし、確率を読み切る力だけは、彼のものだ。
今、坂田真時は気づく――
勝利のチャンスは、世界ごとひっくり返せる力となることを。
銀玉、リール、蹄の音――
すべてが武器となる異世界での冒険が、今、始まる。
坂田真時、25歳。
幼い頃から、運には恵まれなかった。
試験ではあと一歩で不合格、部活ではレギュラーを逃し、就職活動でも連敗続き。
だが一つだけ、彼には「救い」と呼べるものがあった。
それが競馬や パチンコ、パチスロ、要はギャンブルだ。
だが真時にとっては違った。
「運に見放されても、確率を読めば勝てる。立ち回りさえ間違えなければ、世界はひっくり返せる」
そう信じて、彼は何千時間もホールに通い、いくつのもの競馬新聞を読み漁りデータを記録し、釘の傾向やリール制御や、馬の血統などを研究してきた。
彼の人生は“勝率の低い世界”の中で、唯一“確率を逆転できる場所”がそこだった。
ある日、真時はパチンコの帰り道、ポケットに入っていたパチンコ玉を草むらに投げ捨て、「くそがっ」と、呟きふと夜空を見上げた。
星が流れ落ちる――と思った瞬間、視界が白く染まった。
気づけば、石造りの神殿のような場所に立っていた。
目の前に現れたのは白い衣を纏った存在。
「坂田真時。お前の魂は“確率”に鍛えられてきた。
失敗を繰り返し、それでも挑み続けた姿勢こそ、この世界に必要な力だ」
真時は混乱した。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。なんで俺が……?」
「この世界は“確率の理”が乱れ、均衡を失いつつある。
神すら介入できぬ不確定を操る力……それを持つのはお前だけだ」
光が彼の身体を包み込む。
わけもわからずに立ち尽くしていると、目の前に現れたのは、スマホ画面のようなものに映し出された、ゲームでよく見るスキルというものだった。
スキル:
《パチンコ》──玉を操り、確率を具現化する力
《パチスロ》──リールの運命を操作し、敵や現象を変化させる力
《競馬》──走る存在の運命を読み、勝利を導く力
代償:生命力・魔力を消費。過度な使用は死に至ります。
「……は? な、なんで……俺が……競馬まで……?」
真時の頭は混乱でいっぱいだ。
「パチンコはまあ分かる……スロットも……だが、競馬って何だよ!? 騎手とか馬とか、どうすんだよ俺!」
女神は静かに微笑む。
「お前が最も時間をかけ、集中し、勝利の可能性を読み切った“遊戯”の総てだ。
この世界の理においても、運命を読む力は戦力となる」
光が身体全体を包む。
目を開けると、視界には馬の蹄の音、ジャラリと銀玉が転がる音、リールの回転音――すべてが同時に響いた気がした。
「……俺のスキルが……パチンコとパチスロに……競馬!? まじで……」
違和感と驚きに全身が震える。
だが、それと同時に――
心の奥底に、これまでの人生で培った“確率を読む力”が確かに刻まれていることを感じた。
坂田真時の異世界冒険は、今まさに始まった。
パチンコも、スロットも、競馬も――すべてが武器となる。
よろしくお願いします!




