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第90話:怒るでしかしっ!!

「ただ、彼らあやかしも〈ダンジョン〉が出現してからはその姿を消していっているみたいだね……。




 僕と彼は俗に言う『ダンジョン世代』だからあまり実感はないんだけれど、先代の資料を見る限りその差は顕著だ。


 


 それは『あやかし』だけではなく、僕らの『力』に対しても同様の現象が起きている」




 神妙な顔つきで語る蛇喰の視線はゆっくりと俺を見据える。




 が、俺は今それどころではなかった。




 妖怪が、日本の象徴たる歴史が消える?




 今日俺は、初めて妖怪という存在が実在している事を知ったばかりだぞ?




 それが、ダンジョンのせいで消える?


 日本の文化といっても過言ではないんだぞ?




 なんだったらこれを機にバトルしたり、妖怪をバスターしたりウォッチッチする日が来るかもしれないと心躍らせた俺の感動はどうなる?




「今日、涼真さんを招いた理由の一つがこの『力』と涼真さんの使用している『特殊な【魔法】』についてなんだけど」




『王家』の奴ら……〈ダンジョン〉を出現させこの世界をめちゃくちゃにしただけに飽き足らず日本の歴史的文化の象徴と言っても過言ではない『妖怪』の生態系までも壊していたとは。




 許すまじ——。




「涼真さん、あなたが何者なのかはこの際聞かないし、詮索もしない。




 ただ、複数の『神霊様』を従え、〈ウェポンモジュール〉を介さずに【魔法】を使用するその力と知識で、なんとか僕らの『力』を取り戻す、いや、この弱っていく『力』の速度を少しでも遅らせることは、できないだろうか?




 もちろんタダでとは言わない! できる限りの事は——涼真さん?」




「もう! お兄ちゃん? 今マスターが真剣に話をしてるのにっ!」




 俺が『王家』から『妖怪』を守り、延いてはこの日本という歴史と文化をこれ以上壊させないための実行委員会を脳内で発足していると。




 隣にいる舞衣から大きく体を揺さぶられハッと意識を向ければ真剣な面持ちで俺を見据える蛇喰と、緋獅子。




「あ? あ、ああ……というか、お前達が使っているのは『呪力』だろ?




 力が弱まるのも当然じゃないか? これだけ澄んだ『マナ』が大気に溢れてるんだ。『呪力』を使用するには『澱んだマナ』に変換する術を使うか、『マナ』を汚染する様なエリアを作り出すか。




 どちらにせよ碌な力じゃないと思うんだが?」




「は?」




「な……」




「……!?」




「ん?」




 自分の世界に入り込んではいたものの、一応は蛇喰の話も流し聞いていた俺は、シンプルに自分のわかる範囲で見解を口にする。




 対して何故か呆気に取られたように硬直する二人と、そもそも言葉の意味がわからない、とばかりに眉間に皺を寄せる舞衣。




 しかし、澱んだマナ……か。




 ん? つまりダンジョンを介してこの世界に溢れ出した『マナ』が元々『マナ』が存在しない、もしくは薄かった環境を変質させ『妖怪』を減少させている、と言うことか?




 であれば、妖怪の生息域の『マナ』を何らかの形で変質させれば、あるいは。




「涼真さん、すいません。ちょっと理解が追いつかない……。


 呪力?って、僕らが負っている『呪い』と関係あるのかな?」




「せ、せや、ワイらが『力』を使えるんは『神霊』との契約、言い換えれば『呪い』を代償に【妖魔術】を行使出来るんや! おっさんの言うその『呪力』言うやつが扱えればワイらの力も!」




 蛇喰と、メンタルが復活したのか緋獅子が興奮気味に俺へと詰め寄ってくる。




「ま、まあ、まて、落ち着け。ちなみにお前らは普段、というか〈ダンジョン〉で戦う時今までどうしていたんだ?」




「普段は〈ウェポンモジュール〉を起動するフリをして【妖魔術】を使っていたよ」




「ダンジョンの中と外で違いを感じた事はあるか?」




「……ホンマに、おっさん何者——。いやええわ、あんたの言う通り、〈ダンジョン〉の方が『力』は落ちよる。かえって外の方が調子ええぐらいや」




 なるほど、こいつらの話に出てくる『神霊』とは俺の認識で『邪精霊』と見て間違いない。




 こいつらの『力』の根源もやはり『呪力』だろう。


 正直解決するのは容易い。




 問題は、こいつらの目的の方だな。




「結論から言えば、俺はお前らの抱える問題を根本から解決できる」




「! ホンマか!?」




「涼真さん、冗談、じゃないんだよね?」




 前のめりに息を荒げる二人を俺はもう一度黙らせ、指を二本立てた。




「聞きたい事が一つと、お前ら自身の覚悟の確認が一つ、まずは聞きたい事だが……お前らはその力で何がしたいんだ?」




 俺の質問に対して普段は水と油のような二人が息を揃えて応えた。




「「四大クラン打倒!」」




「このバカと意見が一致するのは不本意だけど、この業界結局は『個の力』がものを言うんだよね」




「ホンマに腹立つけどな、チビの言う通りや。




 ワイらには『白銀の勇者』『改刻の賢者』『月影の聖女』『煉獄の剣聖』を捻り潰せる力が必要なんや!




 ほんで、こいつらのバックで踏ん反り返って日本を『支配』したつもりでおるアホんだら共を引き摺り出すんがワイらの目的であり、代々この国を影から支えてきた『お家』の使命や!!」

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