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9 動物園デート前編

 いよいよ、デート当日! 


今日のために昨日からソワソワしっぱなしだった。特に服はどれにしようか散々悩んで、結局、楓と並んだ時に似合うかなって考えて選んだんだ。


約束の10時、ちょっと早めに駅の改札に着いた。まだかな、なんてキョロキョロしてると、すぐに目に飛び込んできたのは──


楓だった。


俺よりも先に着いて、改札の近くでスマホを見てる。


今日の楓は、黒の長ズボンに白黒のトップス。シンプルなはずなのに、なんでこんなにスタイル良く見えるんだ?


首元にはキラッと光るネックレス、耳元には揺れるイヤリング。髪は可愛くお団子にしてて、うなじが見えるのがなんかドキッとする。


「か、楓!」


思わず、心の中で呼んだ名前が口から出た。楓が顔を上げて、俺に気づくと、パッと笑顔になった。その笑顔に、俺の心臓はもう、バクバクだ。


「タケル! おはよう、早いね!」


楓の明るい声が、駅の喧騒の中でもはっきり聞こえる。


「おはよう! 楓こそ、早いな、待たせちゃったか?」


「全然! 私も今来たとこ」


嘘だろ、絶対俺より前にいたろ。でも、その気遣いがまた嬉しい。


「今日は、ホント楽しみにしてたんだ!」


俺は正直な気持ちを伝えた。隣に立つ楓は、昨日よりもっと輝いて見えた。


「私も! じゃあ、行こっか」


楓が楽しそうに歩き出す。俺も隣に並んで、一歩を踏み出した。よし、今日は絶対に最高の1日にするぞ!


駅前から電車とバスを乗り継いで、ついに動物園に到着した。入口のゲートをくぐる前から、動物たちの鳴き声がうっすら聞こえてきて、俺も楓もワクワクが止まらない。


「うわー、広いね! どこから回る?」


楓が目を輝かせて地図を広げる。その笑顔が可愛くて、俺も自然と顔がほころんだ。


「んー、どこからでもいいけど、楓が見たい動物とかいる?」


「えー、なんだろう? やっぱり、ライオンとかゾウとか、大きい動物は見ておきたいかな! あと、可愛いのも見たいし、欲張りかな?」


「全然! 俺も同じ気持ち! じゃあ、まずは人気者から行ってみるか!」


最初はライオンやトラがいる猛獣ゾーンへ。ガラス越しに見るライオンの迫力に、楓は


「うわー! 大きい!」


って目を丸くしてた。俺も、あんな間近で見るのは久しぶりで、その威厳に圧倒された。


次に、広い放飼場でゾウたちが悠々と歩いているのを見た。餌を食べてる姿がなんとも可愛くて、楓は


「見て! 鼻で器用に食べてる!」


って興奮してた。


「あ、ねぇタケル! あっちにレッサーパンダいるよ! めっちゃ可愛いんだよね!」


楓が俺の袖を引いて、違う方向を指差した。俺は楓に言われるがまま、レッサーパンダのいる方へ向かった。


ちょこまか動くレッサーパンダに、楓は


「あー! かわいいー!」


って、スマホで写真を撮りまくってた。そんな楓の楽しそうな顔を見てるだけで、俺も最高に幸せな気分になる。


動物園って、こんなに楽しいんだな。楓と一緒だから、いつもより何倍も楽しい。これから、もっと色々な動物を見て回るのが楽しみだ。

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