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2 お出かけ先は動物園 

 俺は2人で出かける場所をどこにするか決め始めた。


「それで、かえでは日曜日、何かしたいことある? 俺はどこでもいいんだけど、かえでが行きたいところがいいな!」


かえでと二人で出かけたい。どこがいいかな。


「うーんじゃあ動物園行きたい!」


「動物園か! いいね、動物園! どの動物が好きとかある?」


かえが動物園行きたいって言ってくれて、めちゃくちゃ嬉しい! 動物園デートか〜、楽しみだな。


「じゃあ、日曜日の動物園デートなんだけど、何時にどこ集合にする? 駅前がいいかな? それとも動物園の入り口?」


集合場所と時間、決めなくちゃ。かえでの都合がいい場所と時間がいいな。


「駅前で大丈夫だよ!じゃあ10時ぐらいとかどうかな?」


「駅前で10時ね! わかった、バッチリ!」


俺は嬉しくて、つい声が大きくなっちゃった。


その時、


「おーい、タケル! 何ニヤニヤしてんだよー?」


後ろから、バレー部のチームメイトの声が聞こえた。やべ、聞かれてたか!?


「い、いや、なんでもないって! ちょっと日曜日の話してただけ!」


俺は慌ててごまかしたけど、顔が熱くなるのがわかる。


楓は、俺の隣でくすっと笑ってる。その笑顔が可愛くて、またドキドキしちゃった。


「じゃあ、日曜日は駅前で10時ね! 楽しみにしてる!」


俺は改めて楓にそう伝え、教室へ戻った。早く日曜日にならないかな!


「おいおいタケル、日曜日の話って、なんだよそれ! もしかして、林さんとデートかー!?」


俺の焦りようを見て、バレー部の田中しゅんがニヤニヤしながら聞いてきた。横にいた佐藤りょうも、面白そうに俺を見てる。


「ち、ちげーよ! ただのその、お出かけだよ!」


しどろもどろになってしまう。


「へー、お出かけねえ。日曜日に二人でお出かけって、それはもうデートって言うんだよ、タケル!」


りょうが俺の肩をバンバン叩いてくる。もう、やめてくれって!


「うるせえよお前ら! ほら、もうすぐ練習始まるぞ! 早く着替えるぞ!」


俺は強引に話を切り上げて、更衣室の方へ足早に向かった。後ろからしゅんとりょうの笑い声が聞こえてくる。


(ったく、あいつら。)


更衣室でユニフォームに着替えながら、俺は心の中で毒づいた。でも、鏡に映った自分の顔は、ニヤニヤが止まらない。


日曜日、かえでと動物園。


最高のデートに、絶対にする。

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