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12 動物園デート後編

 「楽しかったね!そろそろ帰る?」


楓が、ウサギから手を離して俺の顔を見て言った。その言葉に、なんだか胸の奥がギュッとなった。あっという間だったな。


「おう、めちゃくちゃ楽しかった! あっという間だったな。」


俺も正直な気持ちを伝えた。楓と一緒だと、時間が経つのを忘れてしまう。


「ちょっとお手洗いに行ってくるね」


そう言って楓は広場から離れた。俺は冷静になる時間ができてある意味ホッとした。まだ頬が熱い。バレてないか心配だな。


楓が戻って来て、俺は


「じゃあ、駅まで送っていくよ。」


名残惜しいけど、そう言うと、楓は「ありがとう!」って笑顔になった。


動物園を出て、駅までの帰り道。行きよりも会話が弾んだ気がする。


今日の動物園の話や、学校のこと、色々な話をした。隣を歩く楓との距離が、さっきのふれあいコーナーのことがあったせいか、なんだか前よりもずっと近く感じる。


「今日は本当にありがとう、タケル! 試合もカッコよかったし、動物園もめちゃくちゃ楽しかった!」


駅に着いて、改札の前で楓がくるっと振り返ってくれた。今日の最高の笑顔だ。


「俺も! 楓と一緒だから、すげー楽しかった! 今日はありがとうな!」


俺は照れくさくて、精一杯の感謝を伝えた。


「じゃあね、タケル! また月曜日に学校で!」


楓が手を振って、改札の中へ入っていく。俺は、その背中が見えなくなるまで、ずっと見送っていた。


今日一日、本当に夢みたいだった。楓とこんなに近くで過ごせて、最高に幸せだ。


「よし!」


楓が見えなくなって、俺は小さくガッツポーズをした。


来週の月曜日が、今から待ち遠しい。そして、次もまた、楓とどこかに出かけたいな。

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