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魔法学園

「ふう、さっぱりした。」

お風呂を終えて、鏡に映る私もどこかスッキリして血色の良いように見える。

「1日でこんなに変わるのね。」

そんな私にリサは髪にとっておきの香油をつけて櫛でといてくれる。

そして風魔法で乾かしてくれた。

前世の記憶を取り戻してから初めて見る風魔法に私は感動する。


そう、この中世ヨーロッパのような世界、なんと魔法があるのだ。

魔力持ちが昔、魔物を倒してこの王国を作ったと言われていて、それから魔力持ちは貴族に取り込まれたから、今では貴族はほぼ百%魔法が使える。

かくいう私も例外ではない。


「リサ、もう一回魔法見せてくれない?」

「もう。リリー様は魔力をお持ちですから、学園に行けばすぐに使えるようになりますよ。」

学園。なにそれ。記憶をたどってみるがそんなものリリーは記憶の端にすらとどめていなかった。


「学園ってなんのこと?」

リサは驚いた顔をして、

「お聞きになっていなかったのですか。リリー様は貴族ですので16歳から18歳の間、王都の学園に通う必要があるのです。そこで社交界の関係固めや婚約者探しをするのです。」


そうなのか。知らなかった。まさかラノベのような展開になるなんて。

学園に備えてより一層様々な準備を重ねなければならない。

幸い時間はまだ三年ある。それまでに完璧な淑女になって見せようじゃないか。


「リサ、決めたわ。私勉強する。」


「ご勉強ですか…?今ある作法の先生ではなく?」

そうなのだ。リリーは週に3回、作法の勉強をしている。

ガサツだったリリーもこの時間だけはおしとやかに過ごしていた。


「今ある授業に加えて学びたいの。学園では何について習うの?」

「学園では、礼儀作法、ダンス、数的推理、グレイ王国語、帝国語、世界史、魔物戦闘について学びます。」


礼儀作法、ダンスは良いとして。数的推理は前世で言う数学のようなものだろう。前世では理系だったので数学には自信がある。

グレイ王国語はこの国の言語、というか日本語だ。帝国語もリサに喋ってもらったら「HELLO」といっていたので多分英語。

全くの未経験は世界史と魔物戦闘になりそう。


「すべての教科の家庭教師を雇えるかお父様に聞いてきてくれない?」


「かしこまりました。ですが急にどうしてですか?」

リサが心底不思議というようにこちらを見る。

「見た目だけ磨いても一流だとは言えないわ。教養を身につけてこその一流だからね。」

「なるほど。では子爵様にお伝えしておきます。」


こうして私の勉強生活も幕を開けていくのだった_____


「えっと、ナンシーはこれから雨になるのでジムに行った…?」

「正解です。その調子でじゃんじゃん進んじゃいましょう!!」

そう勢いよく言うのは、グレイ王国語(日本語)

と帝国語(英語)の私の先生となったラズベリー先生。前世で大学受験を頑張った記憶を辿りながらなんとか先生の授業についていく。


「それにしてもリリーは覚えが早いですね。とても教え甲斐があります。」

紫色のショートヘアを揺らしながらラズベリー先生は言った。

ぎく。前世で頑張ったからなぁ…。

怪しまれてないといいが。


「少し予習をしてたんですよ。まだまだなのでよろしくお願いします。

ところで、学園では2つの言語をどれくらい学ぶのですか?」

そうなのだ。私に求められるレベルは学園を優秀に卒業できる程度の高いレベル。

理想の女の子は勉強もできなければならないのだ!


「そうですね。社交界でも頻繁に使用するでしょうから、帝国語は日常会話ができるレベル。王国語は定例会議の内容が理解できるレベルですかね。」

かなり高いハードルだ。


「それを今、12歳から始めて、16歳の入学までに完璧にすることは出来ますか?」

するとラズベリー先生はニヤリと笑って、

「いいでしょう。必ずあなたを首席で入学させて見せます。」

と言った。


いや、首席とかは望んでないんだけど…。しかし先生の圧に押されてそんなことは言えなかったのだった。


読んでくださってありがとうございました!

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