非常事態
非常事態と呼ばれるためには、いくらか条件がある。
特に、手野グループで非常事態と呼ばれるものは、ちゃんと内規によってきめられている。
会社によってそれぞれ細かくは異なるものもあるが、多くは共通している。
第一に、取締役がいなくなったとき。
簡単に言えば、会社のかじ取りができなくなったときだ。
この場合には、その会社の親会社や春雷会が臨時に指揮を執ることになっていて、すぐに新しい取締役を選任することになっている。
第二に、製品による事故が発生したとき。
製品というのも多種多様にあるため、これと決めることは難しい。
ただ普通に使っていたのにもかかわらずけがや事故を起こしたとなれば話は別だ。
すぐに対応を決定するために経営陣が会見や会議を行い、今後どうするかを決定することになっている。
そして手野グループの事情として第三の非常事態と呼ばれるのは、春雷会関連の事情だ。
この春雷会こそ、手野グループの中枢となる組織であり、そのため、手野グループの特に重要な事柄については春雷会を通してから決めることになっている。
そのため、この春雷会の事情によって、行えないことが出てくる。
もっとも、よほどのこと以外はそのまま承認するため、通常であれば各社の決定に口出しすることがないため、ほとんど問題はなかったりする。