見ゆる光芒
深い微睡みから目を覚ます、既に日は昇っており窓から差す朝日が、まぶしい。
鳥の囀ずりと布団の布が擦れる音がした。
家族が死んでからずっとみていた悪夢は見なかった。
「ううんと。」
眠たいままのまぶたをこすり一つあくびをした。
暖かい布団から体を起こし少しぼーっとする。
「おはようございます!」
おれの寝ていた布団に身を乗り出して明るく挨拶する光さん。
どうやら先に起きていたようで既にパジャマではなくなっている。
動きやすいカジュアルな服装だ。
「おはようございます……早いですね。」
光さんをよく見ると少し上気しておりしっとりと首筋に汗が流れている。
少し運動でもしていたのだろうか、血色のいい顔が赤らんでいた。
「ええ、日課のランニングがあるので、少し早起きです。」
朝にランニングまでするのは凄いな、おれは朝弱いのだ。
「ふぁ……いいですね、ランニング。」
また一つあくびをして返事を返す、眠い、いくら寝ても朝は眠い。ここ三日は寝不足だったし、どうにも起きたくない。でものそのそ布団をのける。
「まだ眠そうですね、せっかくの休日ですし二度寝してもいいですよ?」
「大丈夫です、一人で寝ると悪夢を見そうですから……」
一人で眠れない気がするので誰かと一緒に寝たい、光さんといるととても落ち着くのだ。
「大丈夫ですかね?それじゃあ朝食にしましょうか。」
布団からずるずる手を引いてひっぱり出される。
立つのも億劫だが動かないなら何も始まらないので動き出す。
「はーい」
廊下をトコトコ歩く光さんについていく。
ところどころこちらを手招いて導いてくる。
なんだか雛鳥扱いされている、なんでですか。
「朝食はごはんにしますか?パンにしますか?」
リビングに着いた光さんはしゃもじと食パン片手に聞いてきた。
「パンでお願いします。」
朝はパン派である。
元よりパンしか食べていなかった。
「ジャムそこに、飲み物は冷蔵庫に牛乳とジュースが入ってます。お好きにどうぞ!」
「光さんは食べないんですか?」
一向に朝食に手をつけない光さん。
もう食べているのだろうか。
「私はもう済ませたので大丈夫です。」
済ませていた、ジョギングするなら食べているか。
「じゃあいただきます。」
選んだのはいちごジャムと牛乳、朝食はやっぱこうではなくては。
「他に何かいりますか?ベーコンと卵焼きましょうか?ヨーグルトもありますよ?」
「十分ですよ。」
至れり尽くせり……!気遣いが手厚い、お世話されすぎている。このままでは光さんなしでは生きられなくなってしまう……!
「それなら何よりです。」
あまり朝食べないのでこれだけで足りている。
というか女になってから食べる量も減った、少食になった。
「ごちそうさまです。」
「おそまつさまです。」
もうお腹いっぱいだ。
「では今日はエイナさんの服を買いに行きましょう!」
胸をはって宣言する光さん。
そう言えば昨日そんなことを言っていた。
「あの、どこに行くんですか?」
「どうせなら楽しくショッピングということであの大規模ショッピングモールに行きましょう!」
となりの町に新しくできたショッピングモールに今から行くらしく。
「そうと決まれば善は急げです!さあ着替えて行きますよ!」
光さんは何やら山のような服を抱えてくる。
「私のお古を用意してきたので一旦これで我慢して下さい。」
こんなに服を用意されてもファッションなんて分からないので適当にジーンズとパーカーを選ぶ。
「じゃあこれで……」
「おお、良いですね。さあ行きますか。」
慌ただしく外に飛び出して行った時に待っていたのは優しい木漏れ日だった。
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