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魔法少女の光と影  作者: 生姜焼き
陰陽コミュニケーション
3/23

光と決意と暖かさ




「うああ?」


 見知らぬ天井だ。

体を起こしてあたりを見たところ静かな会社のオフィスのような場所の一室のソファーで寝ていた。


「起きましたね!」


 いきなりかけられた声にたじたじになる。


「えうえあうあい……」


 倒れた時に見た光さんが夢なんかじゃなくその場にいる事実に耐えられず気が遠のく。


「えーっと、大丈夫?喋れますか?」


「あっ大丈夫です。喋れます。」


なんかもう高ぶる精神に対し魔法少女とお喋りコミュニケーションをとる機会を逃すまいとすんなりと口から言葉が出る。


「えっと質問いいですか?」


 うん、頭が逆にスッキリしてきた。


「何ですか?」


「ここ何処ですか?」


 光さんに気をとられて真っ先に出る疑問が今になって気になった。


「ここは魔法少女協会本部ですよ!」


「え?」


 魔法少女協会、それは魔法黎明期より生まれた少数の魔法少女が協力するために立ち上げた組織だ。時がたち魔法少女とマジルガが大量に増えた今協会に所属している魔法少女は三万人を越えるらしい。



「あれ?魔法少女協会にくるのは初めてですか?」


「はい、まあ……」


 概要だけは知っているが協会に入るなんて思わなかった。


「ということは登録だけでフリーですか?」


 ?登録?登録……あっ?所属登録のことか。

基本的に魔法少女は皆協会に所属していている。

協会の所属登録は魔法少女であれば誰でも所属出来る、そして所属していれば魔法やマジルガに関する情報提供や交換が出来る魔法少女ネットワークが使える。登録するだけ損はない。



「いや登録もしてないです……」

 

「えっ、登録もしてないのですか?もしかして魔法少女になったばかりですか?」


「そうです……」


「いつから魔法少女に?」


「あの…三日前に……」


「へー。新米ですね!私も新人なので、後輩が出来ることは嬉しいです!」


 まっ眩しい、笑顔が凄い眩しい。

もう顔を直視出来ない!



「では今から所属登録しますか?」


「はい……」


「では下の階にいきましょう!」


 そう言って光さんはおれの手を引いた。

手から感じる暖かな体温は、おれの止まった心に熱をくれた。

魔法少女として生きてく決心をつけて歩き出す。



 オフィスを抜け広々としたエントランスに出る。


「すいません!所属登録したいのですが!」


 光さんが大声で受付の人を呼ぶ。


「はいはいってあら、光ちゃんじゃない、どうしたの?所属抜けちゃったの?」


「あ、いえ、私ではなくこの子の所属登録をですね!」


 光さんに背中をずいずいと押され前に出る。


「あらあらこの子?可愛らしいわね~!?はじめまして~、私は魔法少女協会で受付をしている河野三奈って言いますー。受付以外にも色々やってるけどね。」



「三奈さんは所属登録出来ますか?」


「出来るわ任せて!私より協会に詳しい人は居ないわよ~。」


 おれが蚊帳の外で話が進んでいる。


「じゃあちゃっちゃと登録しちゃいましょうか。あなた、名前は?」


「えっとエイナです……」


「エイナちゃんね、姓は何?」


 姓を、おれは名乗っていいのだろうか。

男としてのおれは死んでしまったし、家族も居ないし。

名乗るべきじゃあ無いかな。


「もうない。」


「無いってどういうこと?」


「家族がいない……」



 そう言うと光さんと三奈さんなは呆気とられた顔をして、とても悲しそうな顔をした。



「ごめんなさいね、気がきかないで……」



「あっ大丈夫です、気にしないで下さい。」



 もう過ぎたことだ、悲しさも薄れ、涙もとうに枯れた。


「そんなことより登録しましょう。」


「……わかったわ。次は年齢ね。いくつ?」


「14です。」


「私同い年ですね。」


「じゃあ住所は?」


「家もない。」


「電話番号は?」


「無いです。」


「身分を証明できる物は?」


「ないです。」


「はー困ったわねえ。登録も、魔法少女なら登録出来るけど個人情報がまるで無いのは初めてよ。エイナちゃんはどうやって生きてきたの?」


 どう生きていたのと言われても生後三日だしどう説明したら言いかわからない。

普通に生きていて、不幸にも死んだら魔法少女として生まれ変わってたって信じて貰え無いだろう。



「言わない。」


「そう、答えたく無いならいいけど、最後に聞かせて?」



「はい。」


「あなたの魔法は?」


「影を操る魔法です。」



「そう、わかったわ、あなたを魔法少女として登録しておくわ。どうか貴方に最大限の祝福を。」



「ありがとうございます。」


「それではエイナさん、少し外で話ませんか?」


「良いですよ。」


 魔法少女として心臓は高鳴っているが頭はスッキリしたままだ。

光さんと一緒に、エントランスから出ようとすると、なにやら少し騒がしい、決して少なくない人数の女性が集まっていた。



「おや?何の盛り上がりでしょうか!」



 おれも光さんと不思議がっていると、誰かがきた。


「やあ皆、元気しているかい?」


 賑やかな喧騒がピタリと止まり、女性たちは頭を下げる。


「おはようございます()()()、本日は被害もなく、順調と言えます。」


「うん、平和で何よりだ。」


 そう頭を下げられるのは、一人の少女。

背は低くく、人形のような顔立ち、精巧な彫刻のような美しいスタイル。

黒い、黒い、光の無い空を思わせる髪を地面につくほど伸ばし、厚手のネグリジェのような寝間着を着た、夜を纏った少女だ。


「それじゃあ皆、話をしようか。」


 魔法少女協会会長、黒咲夜神(よるか)、その人だ。


最後のメインキャラの夜神さんです。

昨日書けなかったので実質1日で更新、短くて申し訳ない。

区切りついたら書き直したいですね

更新は明後日

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