壊れたもの
「【影縛り】」
先手を打つように静止したマジルガに向かって魔法を放つ、警戒していたためマジルガは振り切るように跳躍して影をずらす。
予定どうりに作戦を進めるため追撃でさらに魔法を放つ。
「もう一回!【影縛り】」
いくら跳ぼうと影があるならばおれは捕らえられる、マジルガはそれでもいいと影縛りを強引に打ち払う。
時間稼ぎにもならない歯がゆさを感じあとは光さんに任せる。
「行きます!」
おれに注視していたマジルガを警戒を外した光さんが不意打ちをお見舞いするように動いた。
光さんが耀きだし、最速で虹輝の軌跡を描きながらマジルガの頭上に移動した。
「よそ見厳禁ですよ!『輝煌熾脚』」
空をなぞれば文字が光だしそして脚に光を纏うように輝いた。
そして一層輝いた脚が深々とマジルガの頭に突き刺さり、鈍い轟音を出しながらも地面に強烈に叩きつけた。
間違いなくクリーンヒットだ、ダメージとしては大きいはずだ。
「それでもこの程度ですか、手応えがあるだけマシですね……」
瓦礫が舞い、その埋没した中からマジルガが出てくると凄まじい様相を呈する。
頭は上半分以上無く、代わりといって喉の辺りに目があった、無機質ながらついていた口と目だけの怖い風貌がさらに怖くなった。
「怖いですよあれ!マジルガってあんなふうになるんですか!」
すとりと地面に着地した光さんは粛々と構えまたマジルガに向き合う。
「なりますよ、急所とかは存在しないのでどこかの器官を失っても代わりの器官が生まれます、全体の体積が残りの体力と思ってください、たたみかけますよ!エイナさん、影縛りを!」
「分かりました!【影縛り】」
光さんの言うがまま影縛りをマジルガに放つ、マジルガは避けることは無く直撃し、僅かに動きを止める。
光さんの最大火力を持ってして頭を削っただけであり、まだ倒れる気配もない。
「流石に隙が出来ますね!この手札を見せたなら避ける方が怖いでしょう!」
光拳がすかさずマジルガを打ち吹き飛ばす。
対するマジルガは織り込み済みと後退りながらも耐える。
「【影縛り】」
「このままボコボコにしてやります!」
おれと光さんのコンビネーションに押されるマジルガが選択したのはカウンターだった。
影縛りを食らい光さんの一撃一撃をもらってはすぐに光さんに向かって攻撃をする。
「当たらなければいいんですよ!」
速度で言えば光さんが上回るので当たる事なく、押せてはいるがマジルガのダメージが足りていない。
「いつまで続きますかこれ!?」
「日が昇りますね!これは!」
晩御飯を食べてから間もなくだと言うのに絶望的な耐久の真実はちょっと心が折れそうだ、夜が明けるまで十時間以上はある。
「【影縛り】持ちますか?光さん!」
「持たせますよ!」
ヒットアンドアウェイを繰り返しては削っているが見た限りはそこまで変化が無いので途方もない戦闘だ、光さんは持たせと言ったが心配だ。
「頑張りましょう!」
覚悟を決めて夜通し頑張ることを鼓舞して気を通す。
光さんが頑張るならおれもどこまでも頑張ります!
「はあ、嫌になりますね!」
夜が深まりつつある中、もう既に一時間以上が経過しようとしていた。
光さんはため息つき、汗を流し火照る体をフル稼働してマジルガと相対していた。
おれもうずっと隙無く影縛りをしているもののいまいち変わらない戦闘に焦りを感じる。
「【影縛り】もうしんどいです!」
弱音も出るがしかなく影縛りを放ち続ける、気張っているのもだいぶしんどい。
「仕方ないです!一番被害なく仕留めるにはこれが最善です!」
それは分かっているがいまいち貢献に足りない感じがして辛いのだ。
本当におれに出来ることはこれだけなのかと実力不足を痛感する。
「頑張ります!」
そんな取り留めのない思考をしていると何かが囁く。
おれはここまで影縛りを使ったのだからもっと行けるだろ?直感的にびっくりしたがおれに足りないピースがはまった気がして光さんに言う。
「もっと止めてみせるので全力で攻撃してください!」
「分かりました!」
光に即答されおれは本気で魔法を使うべく練り上げいつもどうりに魔法を放つ。
「【影縫い】」
縛るだけではすぐに解ける、ならばより深く縫い止める。
そう深くまで影を縫う、マジルガが動けないとピタリと止まった。
「凄いですね!これならやってやります!『輝煌熾脚』」
光輝く閃脚がマジルガを蹴り抜き、さらに追撃としてに度、三度、四度、五度、六度、蹴りを入れマジルガがズタボロに倒れ伏す。
「これで終わりです!」
さらに七度目の光蹴がマジルガを覆い消し飛んだ。
サブタイ適当すぎる
まだまだ序の口
明日更新