結局寄り道
ゲームセンターのゲームは一口に言っても色々ある、リズムゲーム、メダルゲーム、レースゲーム、シューティングゲーム、格闘ゲームなど様々だ。
広々としたゲームセンターの中にはほとんどのゲームの筐体が並んでいた。
「何かするならこれをやってみたかったんですよね。」
手に取ってみるのは銃の形をした機器、いわゆるガンシューティングの分類になるだろうか、やってみたかったのだ、どういうものかあんまり知らないけれど興味を引いた。
「おお、良いですね、どうせなら二人でやりますか。」
ノリノリで銃を取りばっと構え出す光さん、ならば負けじと銃を構えてみる。
「なんだか雰囲気出ますね。」
「良いですよ、様になってます。」
お金を入れて起動するのはゾンビを撃ってハイスコアを目指すゲーム、向き合えば世紀末の光景と臨場感溢れる演出で感動する。
「凄いですねこれ……ちょっとこれは初めての体験です!」
次々と襲いかかってくるゾンビをひたすら撃つ、撃つ、撃つ。でも一人では間に合わない。
「やりますね!私もいいとこ魅せないとです!」
カバーする形で光さんの援護射撃が到来する、バッタバッタとゾンビが倒れていく、恐ろしく正確に頭を撃ち抜いていき、殲滅する形で1ステージをクリアした。
百発百中、華麗なるガンマンの光さんははしゃいで決めポーズをしていた。
「これが絆の力です!」
後半ほぼおんぶにだっこではあった気がするがまあ一応貢献したのでよしという事で。
「それにしても上手くないですか?」
薄々感じていたが光さん滅茶苦茶ゲーム上手い、全部手馴れているようにこなしていく。
「よく遊んでますからね、ゲームはそこそこ出来ますよ!」
端から見てもそこそこなんてレベルじゃあないのではないかと思う。謙虚な姿勢をみせるのは強者の証である。
「次は何しましょうか。」
やりたいこともあまり分からないので光さんに聞いてみる、オススメとかあるのだろうか。
「そうですね、どうせなら……全部やりましょう!」
「わっ!」
光さんに手を引かれてゲームの前に誘われる、これは長引きそうだ。
「これどうすれはいいんですか!?」
「アクセル全開で行きましょう!」
目まぐるしく変わる景色に目を回すレースゲームに手を焼き。
結構ボロボロの順位で決着がついた。
「スピードについていけないです……」
「なれないですよね、最初は。」
次に始めた格闘ゲームでは。
「こうですか!?」
「その調子です!コンボつながってますよ!」
後ろの光さんに応援されながら同じ年くらいの学生に一進一退の攻防を繰り広げた。
「初心者同士の対決も見どころありますね。」
女子がもの珍しいのか人が集まってきた中で、必殺技が決まり見物客が湧いた。
「勝ちました!」
KOコールが響く、対戦相手の人から握手を求められた。
「ありがとう。」
「ありがとうございます。」
熱い友情が芽生え、見物客から拍手が湧く、なんなら光さんも混じって拍手していた。
寡黙そうな風貌でクールに去っていった、負けてもかっこよくあれる人だ。
「さて、だいぶまわりましたね。」
それからゲームセンターのほとんどを制覇する形でまわった。
味わい尽くしたとも言える程には楽しんだ。
「もうゲームセンターには満足しました。」
爽やかな気分で満足に浸るのが心地よい。
「いつの間にか午前が潰れました、お昼時ですからここらで切り上げますか。」
二人で夢中になってはしゃいだ時間が終わり昼食だ。
「ああでもその前に記念にプリクラ撮りますか!」
ゲームセンターから出る時にプリクラを見つけた光さんに引き摺り込まれた。
「プリクラ……初めてです……」
狭いスペースで光さんと密着して押し込まれる形でプリクラを撮ることに。
近い、心臓の音を感じる程に触れた距離が心臓を爆発させる。
「任せて下さい!エイナさんは笑ってて下さいね!」
口に指を当て笑顔を作る、カウントダウンが聞こえパシャリと撮られる。
「これで撮れてますか。」
外にでて写真がプリントされて出てくる。
「ばっちりです!」
可愛らしくハートがつけられた二人の写真、撮る時のことを思えば未だに心臓が熱い。
今夜は眠れそうにない。
更新は明日