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胚培養士の鯖のdiary  作者: あたそん
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2022/10/13

2022/10/13 木 最高気温18℃ 最低気温 15℃。

曇り時々雨。


本日は連休明けの木曜日。

通常業務にて8時出勤。

そんな8時出勤の日は5時頃に起床するのが鯖の毎日である。


そんな訳で鯖は今日も5時20分に起きた。スマホのアラームは5時10分から5分刻みで6時まで。

1回目のアラームは無意識で止めている。そこから5分おきに鳴るアラームにより徐々に目が覚めてくる。

もし6時を過ぎて起きた場合は駅まで走らないと間に合わないので、起きて6時を過ぎたら諦めるようなタイプの人間だった。だからアラームは6時までしかかけない。


そんな鯖は今日に限って、起きた瞬間にリビングの窓が開いているのが明確に音で分かった。

外を走る車がアスファルトに溜まる水たまりを撥ねていく音がしていたからだった。

それだけで鯖は少し憂鬱気持ちになる。

晴れていたら駅まで自転車で5分で済むのに、歩いたら10分近くかかる。

早朝のウォーキングは望んでない。


朝ごはんは昨日ジム帰りにコンビニで買ったマヨネーズソーセージパンとフレンチトースト。

いつもは食パンだが、あまりにも面倒に思ってしまった為、ちょっとだけ楽をしてみた。

1個ずつ30秒、レンジでチン。

そんな簡単なことでさえ、朝起きたばかりの鯖にとっては至難の業。

この気温ならまだまともに動いている方だが、今後寒くなってきてからが心配だった。

ちなみにまともに動いているのは鯖の話である。


パンを食べ終えた鯖は歯を磨きながら朝のニュースを見る。

本来であればニュースでその日の天候を知るから見逃せない。

しかし今日は窓からの音で分かってしまった。

改めて憂鬱になる。


歯を磨き終わった鯖は、シャワーを浴びた。

このシャワーで汗と寝ぐせ直しを済ませるのがこの数年の社会人生活で学んだことだ。

ただ気温が下がってきたが故、浴室が寒い。

まだ10月だというのに、鯖は少しシャワー浴びるのを躊躇した。


シャワーを浴びた終えた鯖は、ここで一気に通勤の準備に入る。

コンタクトを付けて、髪を乾かし、服を着る。

シャワーを終えてから僅か5分。これで朝の準備はほとんど完成だ。


ここまで終わった時には家を出る10分前。

鯖は昨日の夜に纏めておいたゴミを持って家を出た。

ゴミ出しは家事の中でも難関の一つだ。

前日準備しておいても、余裕で忘れてしまうことも多い。

それにも関わらず今日はしっかりゴミを持って家を出れたことに少しだけ気分が上がる。


鯖は歩くのが少しだけ早い。

次々に通り過ぎていく景色の中に秋を感じた。

桜の葉はもうほとんど落ちており、寂しさも伴った。


鯖の通勤時間は約30分。

会社の最寄り駅に到着。スーツ姿の人々に混じってデニムにシャツ姿で通勤する。

電車内は少し暑く、外は寒い。そんな気候に毎日服装を悩む。

いっそのことスーツの方が楽なのではなんて思う日もあるが、そんなことないのだろう。



鯖の通勤時間は読書時間とイコール。

本に集中していて、乗り過ごしたこともある。

遅延もなく予定通りに職場に到着した。


鯖は着いたらすぐに術衣に着替える。紺色の術衣は鯖の務める病院の胚培養士の目印だ。

ナースは白か、薄いピンク。

医者は黒だったり緑だったり。


着替えた鯖はスタッフの休憩室でコーヒーを一杯だけ飲む。

鯖の起床から約1時間半。ようやく頭が起動した感覚を得る。

この時点でまだ朝の8時。

鯖の一日は長い。


胚培養士の仕事は胚の観察から始まる。

培養中の胚の状態を確認して、凍結や移殖に備える訳だが、この日は特に凍結が多かった。

凍結の作業は1個ずつ時間がかかる。約20分程かけて凍結していくが、計10個全ての凍結を終えた頃には、11時前になっていた。


凍結の作業を終えた鯖の今日のお昼ご飯は唐揚げ弁当。

病院のナースさんが当日朝に発注しておいてくれている。

鯖はお弁当を食べ終えると少し微睡みながら休憩時間を終えた。

午後はICSIをしていると、いつの間にか2~3時間経っている。

仕事の詳細についてはまた後日詳しく語ろうと思う。


鯖が仕事を終えた時には外は少し暗くなっていた。

夏の19時を過ぎて明るい日々が懐かしい。

鯖は仕事終わりは真っすぐ帰る。

今日の晩御飯は昨日作った、カレーだ。

鯖の作るカレーの量は多い。一度に数日分作るため昨日からあとは2日間はカレーの予定だ。


鯖が家に着いた頃にはもう真っ暗。

ゆっくり本日2回目のシャワーを浴びて疲れと汚れを落としていく。

10時を過ぎにはもう眠くなっている鯖は翌日のためにいつもより少し早く就寝した。


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