心にいる
中学2年生の夏休み。塾で友達と高校受験の勉強真っ最中
「じゃあ、向かいのコンビニ行ってるから」
帰ろうとした時。忘れ物に気が付いた私は塾へ戻り
友達は塾の向かいにあるコンビニへ向かった
「おい、あのトラックスピード落ちねえぞ!」
塾へ入ろうとした瞬間。入り口でタバコを吸ってる塾長が叫んだ。
「美咲!」
横断歩道を渡ってる美咲の元へ走ろうとしたが
「お前も死ぬぞ!」
塾長に止められた瞬間。美咲はトラックに跳ねられた。
「なんで…引き止めたんだよ…」
塾長を睨み、そして私の意識はそこで途絶えた。
どれくらいの時間が経ったのか。はたまた時間が戻ったのか。
「1日前に戻ってる…なんて訳ないよね」
目を覚ました私はなぜか冷静だった。
そして異様な静かさだ。病院だから当たり前だけど。
「誰か…いるよね…」
ベットから起き上がり、廊下へ出た私。
「下の名前が違う?」
私の名前は笹谷 早希だ。
しかし病室のネームプレートは笹谷 彩音だ。
外の景色を覗こうと窓を見ると知らない顔だった。
「あ、起きたのか。もう一人の私」
後ろを振り返ると私が立っていた。
「…なんで私が目の前にいるの?」
「死のうとしたでしょ」
「え?」
「私も水谷 美咲と一緒に死にたかった。そうでしょ!」
彼女(私の体)はなぜか怒ってた。
「そんなの…私の体なんだから勝手でしょ…返してよ私の体!」
そう言うと、は私の頬に平手打ちした。
「顔。ちゃんと見たか?」
彼女(私の体)は私の手を引っ張るとトイレへ連れ込んだ。
「鏡を見てみろ」
窓では薄っすらだった顔。鏡でハッキリと見ると…
「私にそっくり…」
彼女(私の体)と私は瓜二つなのだ。