ないがしろにされた令嬢は、不幸の元凶を排除することにした
それは暖かい春の日のこと。
アトワール王国の王都にある王立学園の宿舎にて、1人の令嬢がベッドに突っ伏して嘆いていた。
「……ああ。一体なぜこんなことになってしまったの」
豊かな栗色の髪に、知性を感じさせる青い瞳。
整った顔立ちが印象的な彼女の名前は、イザベラ・マクレガー。16歳。王立学園2年生。
宰相の父を持つ、マクレガー公爵家のご令嬢だ。
イザベラは、5歳の誕生日に、1歳年上の王太子ジュリアスの婚約者になった。
彼女は、厳格な父の「貴族とは国と国民に尽くす存在だ」という言葉を胸に、王妃教育に励んだ。
ジュリアスはプライドが高い我儘な男だったが、彼女は嫌な顔1つせず彼に従い、彼の望む女性になろうと努力した。
彼の苦手な書類仕事を引き受け、王立学園に入学してからは、生徒会長の仕事を代行した。
全ては、立派な王妃になり、ジュリアスを支えながら国と民に尽くすため。
しかし、ジュリアスは、そんなイザベラを邪険にした。
イザベラをうるさがって遠ざけるばかりか、色気全開で擦り寄って来た男爵令嬢マリアとばかり一緒にいるようになる始末。
今日などは、1カ月前から約束していたイザベラとの観劇をキャンセルし、マリアとお忍びで街に遊びに行ってしまった。
ジュリアスの仕打ちを思い出し、イザベラは両手で顔を覆った。
「わたくしの何が間違っているの? わたくしの一体何が悪いの?」
ポロポロと涙をこぼすイザベラ。
しかし、しばらくして、彼女は気が付いた。
「……ん? よく考えてみたら、わたくし、何も悪くありませんわよね?」
お妃教育については、「完璧です」と太鼓判を押されるまで努力している。
定期的にお茶会を開き、上位貴族の令嬢達を掌握。
苦手分野の多いジュリアスをフォローし、髪型や服の好みまで合わせている。
自分で言うのもなんだが、王太子の婚約者としては完璧に近い。
にも関わらず、なぜこんな状況になっているのか?
イザベラは、ベッドの上で起き上がった。
(上手くいかないのは、自分が悪いのではないかと思って自分を責めていたけれども、もしかして原因は別にあるんじゃないかしら。……これは真面目に考えてみる必要がありそうね)
その日、イザベラは夜遅くまで考えを重ねた。
***
月日は流れ、約1年後。
王立学園卒業パーティの場で、そのイベントは発生した。
パーティ会場中央に立つのは、怒りで美しい顔を歪めた王太子ジュリアス。
その隣で、王子の腕に手を添え、隠れるように立っているのは、ふわふわのピンクブロンドが自慢の男爵令嬢マリア。
そして、少し離れた2人の正面に毅然と立っているのは、公爵令嬢イザベラだ。
大勢の人々が注目する中、ジュリアスがよく通る声で叫んだ。
「イザベラ・マクレガー公爵令嬢! 貴様の傲慢かつ悪辣な行いにはもう我慢がならぬ! 今すぐマリアに謝罪しろ!」
「「そうだ! 謝罪だ!」」
ジュリアスと一緒になってイザベラを糾弾する、側近の男性生徒達。
会場がざわめいた。
公爵令嬢が男爵令嬢に頭を下げるなどあり得ないこと。
それを王太子が命令するとは、一体どういうことなのか。
会場中が注目する中、イザベラは冷静に尋ねた。
「それはどういうことでしょうか?」
「理由など明確なこと! 貴様、王太子婚約者という肩書をかさに着て、マリアをいじめたそうじゃないか! 教師達にあらぬことを吹き込んでつらく当たらせた上に、しつこく嫌味を言い、取り巻きを使って嫌がらせをした。挙句の果てに、私物を取り上げ、階段から突き落とした!」
「ジュリアスさまぁ。私、とっても辛かったですぅ」
いきりたつ王太子と、その腕にしなだれかかって目を潤ませるマリア。
2人のバカップルぶりを見て、はあっと溜息をついて、軽く肩をすくめるイザベラ。
その、まるで「やってられないわ」とでも言いたげな態度に、カッとなった王子はついに叫んだ。
「貴様のような根性のねじ曲がった令嬢など、王妃にふさわしくない! 今をもって貴様との婚約を破棄する!」
――――と、その時。
「その言葉、確かに聞いたぞ」
威厳がある声が響き渡った。
その声の方向に視線を向けた人々は、目を見開いた。
「「こ、国王陛下!」」
「「な、なぜここに!」」
「横にいるのは、第2王子ルーファス殿下?!」
国王は軽く手をあげて観衆を静めると、ゆっくり会場中央に歩き始めた。
それに従う第2王子ルーファス。
国王を出迎えるため、優雅に頭を下げるイザベラ。
ジュリアスは慌てて礼をすると、国王に尋ねた。
「ち、父上、なぜこのような場所に?」
「なに。ルーファスから面白いものが見れるかもしれないと言われてな」
国王がチラリと隣のルーファスを見る。
ルーファスは、大げさに溜息をつくと、端正な顔に失望の色を浮かべながら口を開いた。
「僕もまさかここまでの大惨事が起こるとは予想していませんでしたよ。前から残念な人だとは思っていましたが、兄さんって本当に愚かだったんですね」
「なっ!」
「兄さんは、本当にイザベラ嬢がマリア嬢をいじめたとでも思っているんですか?」
「当たり前だ!」
ルーファスは、怒りに震える兄を哀れみの目で見ると、教え諭すように言った。
「イザベラ嬢はね、マリア嬢を教育していたんですよ」
***
――――約1年前。
イザベラは、宰相である父に頼んで、王宮で秘密裏の会議を開いてもらった。
参加者は、国王、王妃、父であるマクレガー公爵、そして、ジュリアス王太子の1歳下の弟である、第2王子ルーファス。
国のトップ達の前で、彼女は恭しく頭を下げた。
「お忙しいところをお時間を頂きまして有難うございます」
国王が軽く手をあげた。
「そう畏まらずとも良い。そなたがこうして相談してくることなど初めてのことだしな」
「ええ。そうですわ。何でも遠慮なく言ってちょうだい」
国王の言葉に頷く王妃。
すでにジュリアスとイザベラが上手くいっていないのを知っていた彼らは、こう予想していた。
“ きっと、ジュリアスに注意を促すように依頼してくるのだろう ” と。
しかし、イザベラの言葉は彼らの予想を大きく裏切った。
彼女は笑顔でこう言い放ったのだ。
「はい。実は、ジュリアス様に想い人が出来たのです!」
ぽかんとする一同。
しばらくして、ルーファスが口を開いた。
「ええっと、それは笑顔で報告するようなこと、なの?」
「ええ。もちろんです。大切な側妃候補が出来たのです。これほど喜ばしいことはございません」
「そ、そうなの?」
「はい。わたくしの使命は、貴族として王国と王家、そして民に尽くすこと。王家の繁栄には、側妃の存在が欠かせませんわ」
黙って話を聞いていた王妃が感心したように口を開いた。
「そうです。その通りです。醜い嫉妬に囚われず、よくぞそこに辿り着きました。やはりあなたは未来の王妃にふさわしいわ」
普段厳しい王妃に褒められ、ありがとうございます、と、顔を赤らめるイザベラ。
国王が髭を撫でながら、考えるように尋ねた。
「そなたがそのような心意気でいてくれることが知れて何よりだ。して、相談とは何だ? それを踏まえた上の話なのだろう?」
イザベラは暗い顔をすると、用意していた紙を配った。
「相談内容は、これですわ」
「これは?」
「ジュリアス様の想い人である、男爵令嬢マリアの学業成績、および他者からの評価です」
そのあまりの酷さに、マクレガー公爵は思わず顔を顰めた。
「成績は常に下位グループな上、礼儀作法が0点。他のご令嬢からの評価も酷いものだ。本当にこんなに酷いのか?」
同じ学年であるルーファスが肩をすくめた。
「大体こんな感じですね。むしろ、僕にはかなり優しく書いてあるように見えます」
イザベラは溜息をつくと、憂いの表情で言った。
「彼女は地方男爵の娘ですから、今まで良質の教育を受けてこれなかったのです。この結果は、ある意味致し方ないことだと思いますわ。
しかし、側妃となるからには、これでは困ります。やはり最低限の知識やマナーは必要です」
一斉に頷く出席者達。
マクレガー公爵が難しい顔で腕を組んだ。
もしも身分の高い令嬢であれば、王家の権力強化を狙って側妃の打診をする手もある。
しかし、相手は礼儀作法もままならぬ地方の男爵令嬢。
ジュリアスの気持ち以外の面で、側妃にするメリットはない。
ジュリアスの気が変わる可能性がある以上、堂々と王宮側から教育を申し出るのは悪手だ。
「……イザベラはどう考えているのだ? こうした場を持つということは、何か策があるのだろう?」
マクレガー公爵の問いに、イザベラは答えた。
「教師に進言し、彼女には各教科の補習を受けて頂こうと考えております」
「なるほど。学校教育で王妃教育を代行する訳か」
「はい。加えて、わたくしや他の令嬢達からも、貴族としての常識や礼儀作法を日常の中で少しずつ教えていこうと思います。
学園生活はあと1年あります。1年かければ、最低限の知識やマナーくらい身に付けられますわ」
王妃が、なるほど、と、いう風に頷いた。
「とても良い考えだと思いますわ。学園の教育で最低限の知識はつきますし、令嬢達の協力があれば、1年後には礼儀作法やマナーも問題ないレベルになるでしょう。
……それで、ジュリアスにはこのことをどう伝えるつもりなのかしら? この場に呼んでいないようだけど」
王妃の言葉に、イザベラは言いにくそうに口を開いた。
「……実は、本日ジュリアス様もお呼びしたのですが、大切な用事があるとのことで来て頂けませんでした。ですから、明日以降、私の方から秘密裏に伝えようと思います」
国王がどこか済まなそうな顔をした。
「イザベラ嬢。我が愚息が迷惑をかけるな」
「そんな風におっしゃらないで下さい。私は王国と国民のためにすべきことをしているだけですわ」
「そう言ってもらえると助かる。今後もこの件についてよろしく頼む」
「はい。畏まりました」
***
「……とまあ、こんな話し合いがあったんだよ、1年前に」
飄々と話すルーファス。
ジュリアスは唖然とした。
「そ、そんな大切なことを、なぜ俺に言わなかった!」
「ジュリアス様。わたくしは何度も言いましたわ。マリア様のことを真剣に考えているならば、わたくしの言葉に耳を傾けて下さい。どうか話を聞いてください、と」
そう言われて、ジュリアスはバツの悪そうな顔をした。
何度も話をしたいと言われたにも関わらず、説教か文句だと思い込み、面倒くさいからと全て断っていたのはジュリアス本人だ。
「こ、こんな話だとは誰も思わないじゃないか! なぜその場で言わない!」
「こんな話を公衆の面前で出来ませんわ。ですから、別室で話をしたいと言っていたのです。それをずっと断り続けていたのは、殿下、あなたですわ」
「ッ! しかし! 物を取り上げた件は違うだろ! あれは明らかな嫌がらせだ!」
イザベラは溜息をつくと、会場のメイド達に合図をして、箱を1つ持って来させた。
開くと、キーホルダーや財布が入っている。
「これらがマリア様から回収させて頂いた物ですわ」
「やっぱり取り上げていたんじゃないか!」
「……ジュリアス様。よくご覧になってください。これらは、全部下町で売っている偽ブランドです」
「ッ!」
「側妃候補の令嬢が、下町で買った偽物を身に着けるなどありえませんわ」
すると、イザベラの後ろに立っていた令嬢の1人が口を開いた。
「王太子殿下。確かに取り上げた形にはなりましたが、その後にほぼ同じものを探してプレゼントしております」
驚いてマリアを見るジュリアス。
マリアは真っ赤になりながら言った。
「た、確かに似たものは頂きました。でも、その中にはジュリアス様に頂いたものがあったんです! お金の問題じゃありません!」
イザベラは溜息をついた。
「それはありえませんわ。わたくし達が頂いたのは全て偽物。殿下が偽物を贈るはずがありません。ねえ、殿下?」
「あ、当たり前だっ!」
真っ赤になって否定するジュリアス。
国王が溜息をついた。
「この1年。わしも王妃も何も言わずにお前達を見守っていた。イザベラ嬢やご令嬢達が、やさしくその娘を教え導こうと努力していたのも、その娘が逆恨みしていたことも全て知っておる。
しかし、お前はそこの娘が言うことを鵜呑みにし、イザベラを邪険にし、話を聞こうともせず、何度も酷い仕打ちをした。お前には失望した」
普段温厚な国王の厳しい態度に、息を飲むジュリアス。
国王は厳しい目をジュリアスの側近達に向けた。
「お前達は、そんなジュリアスを諫めようともしなかった。お前達に王家に仕える資格はない」
青ざめて震えだす、側近達。
国王は再び溜息をつくと、ジュリアスの方を向いて言った。
「追って沙汰は出す。お前は部屋で謹慎だ。それと、男爵令嬢マリアには色々と聞きたいことがある。近衛兵に同行してもらおう」
「お、お待ちください! なんですかっ! それはっ!」
青ざめながら叫ぶマリアに、ルーファスが冷たく目を細めた。
「公爵令嬢にあることないことを言って陥れようとした挙句、王家を騙そうとしたんだよ? それって立派な犯罪だって分からない?」
「そんなっ! 私はっ! ただジュリアス様が好きだっただけでっ!」
顔を歪めてヒステリックに叫び出すマリア。
ルーファスはそんなマリアを無視すると、微笑みながらイザベラに手を差し出した。
「お疲れになったでしょう。後のことは皆に任せて、少し外で休みましょう」
はい、と、返事をして、ルーファスの手を取るイザベラ。
「ま、待て! イザベラ! 何とかしてくれ!」
追いすがるように叫ぶジュリアス。
イザベラは、そんな必死の形相のジュリアスを見て、それはそれは美しく笑うと、見事なカーテシーをしながら言った。
「わたくしはもう殿下の婚約者ではございませんわ。
今後、わたくしのことはマクレガー公爵令嬢と家名でお呼び下さいませ、王太子殿下。
それでは、マリア様とどうぞお幸せに」
「――――ッ!!!! き、貴様っ!」
プライドを傷つけられ、怒りのあまり真っ赤になって震えるジュリアス。
ルーファスが、やれやれ、という風に言った。
「捨てたつもりの女性に逆に捨てられたからって、女性を貴様呼ばわりするなんて下品ですよ、兄上」
「〇*×%&“#!!!!」
すでに何を言っているか分からないジュリアスと、マリアの泣き叫ぶ声を背に、イザベラとルーファスはゆっくりと歩き出した。
そして、会場から出ると、イザベラはそっと安堵の息をついた。
(ここまで長かったわ。でも、とてもうまくいったわ)
――――1年前のあの日。
イザベラは気が付いたのだ。
“ そもそも、ジュリアス王太子を国王にしようということ自体間違っているのではないだろうか? ”
未来の王妃になる自分をないがしろにし、身分の低い女にうつつを抜かし、その言動を全面的に信用。
王太子をかさに着て理不尽な命令を繰り返し、国の金で女に貢ぐ。
忠臣の言うことに耳を貸さず退け、耳当たりの良いことだけ言う者を重用する。
こんな人間が国王になんてなったら、王家はおろか、国そのものが傾く。
正に不幸の始まりだ。
しかし、第1王子が国王になるのは、この国の決まり。
相当なことがなければ覆せない。
イザベラは思った。
国のため、民のためというならば、やらなければならないことはただ1つ。
ジュリアスが廃嫡にされる理由を作ること。
つまり、馬鹿の炙りだしだ。
イザベラの行動は早かった。
すぐに国王と王妃、自分の父親、ルーファス第2王子を巻き込んで行動を起こした。
さもジュリアスとマリアのことを思ったような行動も、裏を返せば全ては廃嫡へ追い込むため。
そして、1年かけて様々な事実を積み重ね、ようやく今日に至った、という訳だ。
*
会場を出て、誰もいない控室に到着したイザベラは、ルーファスに尋ねた。
「それにしても、こんな大事にして宜しかったのですか? 後から別室で話し合った方が良かったのでは?」
ルーファスはイザベラをソファに座らせると、自身も少し離れた隣に座りながら、にっこりと微笑んだ。
「父上は、兄上の面子より君の名誉回復を取ったんだ。大したものだよ、君は。
―――ところで、2つほど質問があるのだけど、聞いてもいいかな?」
「……なんでしょう?」
「君は、1年前に我々に相談した時点で、こうなることが分かっていたんじゃないか?」
探るようなルーファスの視線を受けて、イザベラは微笑んだ。
「なんのことか、さっぱり分かりませんわ。それに、こんな大事になるなんて誰も予想できないと思いますわ」
ルーファスが苦笑した。
「まあ、それは僕も同感だね。まさかこんな大惨事になるとは思いもしなかったよ。
――――あとさ。マリア嬢から本当に兄のプレゼントを取り上げてないの? 階段から突き落とされたとかいう件も気になってるんだけど」
イザベラは目を細めた。
「まあ、わたくしが犯人だとおっしゃるの?」
「今日、確実に騒ぎを起こさせるのに必要だったんじゃないか、と思ってね」
「ひどいわ。そもそも今日騒ぎを起こさせて、私に何のメリットがあるのでしょうか?」
「君にはないさ。でも、国と民にはメリットがあるんじゃないかな?」
何も言わず笑みを深めるイザベラ。
ルーファスはクスリと笑うと、少し真面目な顔になって言った。
「それと、もう1つ聞きたいことがある」
「はい。なんでしょう?」
「――――君から見て、僕は次期国王として合格?」
イザベラは少しだけ目を見開いたが、すぐに笑顔で答えた。
「ええ。もちろんですわ。これまでの立ち居振る舞い、今日国王陛下を連れていらっしゃる手腕、場を静め支配する力。惚れ惚れするほど見事でしたわ」
ルーファスは嬉しそうに微笑むと、今度はいたずらっぽく笑って言った。
「では、男性としては?」
予想外の質問に、顔を赤くして言葉に詰まるイザベラ。
ルーファスは、その反応に満足そうに目を軽く細めると、イザベラに手を差し出した。
「僕は、君はとても素敵な女性だと思ってる。兄上になんかもったいないと思ってた。今回の件は本当に素晴らしかった。王妃は君以外あり得ない。
僕と一緒にこの国を支えてもらえませんか、イザベラ」
感極まったように微笑むイザベラ。
そして、自分の手を差し出された手の上にそっとのせると、小さな声で答えた。
「はい。喜んで」
――――その後。
マリアは修道院送りになり、ジュリアスは廃嫡。
彼は今後、同じように廃嫡された元側近達と共に、遠い辺境の地で一生を終えることになるらしい。
第2王子だったルーファスは王太子となり、イザベラと婚約。
聡明なルーファス王子と、前王太子と一緒にいる時とは比べ物にならないほど美しく輝いているイザベラを見て、人々は心からの祝福を送ったという。
王妃候補だったら、これくらい余裕だよね。ていうか、余裕じゃないとやばいよね、なんて思いながら書いてみました。