第7話 「仲間探しの旅の始まり」
カズヤは森の中を闊歩する
筋肉も腱もない体を動かして
ーザッザッザッザッー
辺りで草を掻き分ける音がする
カズヤの異様さに驚いた獣や魔物が気配を察知して逃げ惑うのだ
(生を手放すとこんなに自由になれるのか…)
カズヤはふと思いついて走り出す
「ははっ!走れるじゃん⁉」
一体何がカズヤの体を支え突き動かしているのか?それは分からない。
現実としてカズヤは走っている
疲れも痛みも苦しみも何も存在しない
ータッタッタッ…バキッ‼ー
体に結構な太さの枝が当たるが何の衝撃も感じる事なく枝は折れた
カズヤは更に速度を上げる
心の軽さを確かめる様に
ーダダダダダダッ‼「あっ⁉」ー
調子に乗り過ぎた!
気付くとカズヤは空中にいた
いつの間にか森を抜け崖から落ちてしまっていたのだ
「うわぁ~‼」
ーヒュー。。。ガキンッ‼ー
「…痛てて…って痛くないか。何処か欠けたり折れたりしてないか⁉」
カズヤは体をチェックする
ブロンズ色の体は欠けるどころか傷1つなかった
(あれ?俺の骨、結構硬いのか?)
カルシウムを多く摂った程度では説明が付かない強度を手に入れていた様だ
カズヤはスッと立ち上がり膝を手で払う
ーカキンカキンカキン‼ー
あ、埃を払う服も肉もなかった‼
どうも生前?の習慣迄は抜け切らないカズヤであった
暫く崖下の岩場を進むと数体の骸と出会った
どうやら森を探索中に崖から転落したらしい
(お?刀見っけ‼)
骸の側に下々が持っていたにしては豪奢な刀が転がっていた
カズヤはその刀を手に取る
ーブンッ!ブンッ!ー
かなりの間放置されていたにも関わらず錆1つない刀身に彫金が施された柄、多分業物なのだろう
「これで襲われても戦えるな」
カズヤは刀を背負おうと紐を掛けるがどうも座りが悪い
仕方なく肩甲骨と肋骨に紐を括りつけて何とか様になった
「さて、旅の再開だ‼…っとその前に」
カズヤは骸達を近場の地面に埋葬した
あれだけ追われていた人間だが弔う事には躊躇いがなかったのだ
「どなた達かは知らないけど成仏してくれよ」
カズヤは墓の前に摘んだ花を備えて手を合わせた
「死んではいたけど人がいたって事は近くに人里があるのかもな」
そんな事を考えつつ彷徨うカズヤであった




